【ムンバイ】Bajaj Auto Ltd(BAL)はオーストリアの特製バイク・メーカーKTM Power Sport AGの支配権益買収を目指して来たが、プロモーターのCROSS Industriesが50.9%の持ち分を縮小する考えのないことを公に声明したことから、買収計画は暗礁に乗り上げた。
ビジネス・スタンダードが2月20日報じたところによると、CROSS Industriesの声明はBALがウィーン証券取引所上場企業の株式を0.2%買い増した直後になされた。またBALがKTM株主割り当ての引き受け問題を協議する予定だった2月26日の特別総会直前に発表された。
BALは2007年に取得したKTMの14.5%の持ち分を、7ヶ月前に31.72%に引き上げ、今回さらに31.92%に引き上げたが、何れも公開市場における買い付けや株主割り当てを通じたもので、プロモーター持ち分の買収は行っていない。
KTMの4人の取締役会メンバーに名を連ねるBALのRajiv Bajaj重役(MD)は昨年7月、5年内にKTM持ち分を50%以上に引き上げる可能性を示唆した。
これまでにKTM株の買収に800~850クロー(US$1.74億-1.84億)を投じたBALが、現在の持ち株比率を維持しようと思うなら株主割り当てを引き受け250万株を買い増す必要がある。現在の株価からすればそのコストは85クロー(US$1845万)前後になるが、BALのS Ravikumar副社長は、「まだ株主割り当てを引き受けるか否か決めていない」としている。
欧州や北米等の主要国際市場にアクセスするノーハウに加え、強力な研究開発(R&D)能力、そしてディーラー網を保持するKTMの権益は、BALの国際戦略の重要部分を成している。Ravikumar氏によると、BALはKTMプロモーターと、株式買収問題を協議しており、両社プロモーターの間に利害の対立はないと言う。