2010-02-24 ArtNo.43138
◆NMDC、国際価格をベースにした鉄鉱価格制度に見直し
【ハイデラバード】鉱山開発と鉱石貿易を手がける国営商社National Mineral Development Corporation (NMDC)は、3月に国内鉄鋼メーカーと次期会計年度の鉄鉱石供給契約交渉を行う際には、国際価格にリンクしたこれまでの価格設定方式を改め、新たな価格メカニズムを提案する方針だ。
ヒンドゥ・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダードが2月18日報じたところによると、NMDCのRana Som会長兼MDはこのほど以上の考えを語った。それによると、NMDCは、ロンドン拠点のCRU Consultantsに新価格メカニズムの検討を委ねた。Som会長は詳細を明らかにしなかったが、国際市場におけるベンチマーク価格に代えて、国内の需給バランスやその他の要因を価格設定の新たなベンチマークにするものと見られる。こうしたNMDCの動きは国内鉄鋼メーカーにとっては、原料コストの上昇につながりそうだ。
国内最大の鉄鉱石生産者のNMDCは年間約3000万トンの鉄鉱石を生産、内85%を国内の鉄鋼メーカーに供給している。NMDCは先月鉄鉱石の価格を15%引き上げたばかり。
Som会長によると、NMDCは石炭/肥料原料(カリ/リン酸塩)に照準を合わせ、インドのエネルギー/肥料安全保障に貢献する方針だ。NMDCは、Rashtriya Chemicals and Fertiliser Ltdに率いられるコンソーシアムに加わりラオスやカザフスタン等、海外のカリ資源開発に参加する。NMDCはまた、Coal Indiaと、国内炭坑の共同経営問題を協議している。NMDCは、石炭/肥料原料の開発に、向こう5年間に約4500クロー(US$9.77億)を投資する。
1万3000クロー(US$28.21億)以上の現金余剰を有するNMDCは今後4~5年間に2万6000クロー(US$56.42億)の資本支出を予定、内1万6000クロー(US$34.72億)をチャッティースガル州における年産300万トンの鉄鋼プラントの建設に投入する。このほかブラジル企業と、同国における鉄鉱山の開発を手がける。
一方、インド政府は3月の第2週に続公募(FPO:follow-on public offer)を通じてNMDCの8.38%の持ち分を売却する方針で、公募最低価格の検討を進めている。当初、入札を通じて決めるフレンチ・オークション方式の採用を検討したが、同方式を採用した国営火力発電会社National Thermal Power Corporation Ltd (NTPC)のFPOに対する投資家の反応が低調だったことこから、従来のブック・ビルディング方式を採用する可能性もありそうだ。NMDCは2月22日からムンバイでFPOのロードショーを催す。
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