SEAnews 2010-01-29 ArtNo.43054

【コルカタ】総投資額1230クロー(US$2.6691億)のSupermaxプロジェクトを進めるため、昨年11月にナフサ・クラッカーの操業を停止していたHaldia Petrochemicals Ltd(HPL)は、エチレンの製造能力を高めたプラントの操業を再開する。
エコノミック・タイムズが1月26日報じたところによると、エチレンの年産能力は5.2キロ・トンから6.7キロ・トンに拡大する。HPLの主要プロモーターの1人を務めるThe Chatterjee Group(TCG)のPurnendu Chatterjee会長や、HPLのTarun Das会長を含むHPLのトップ経営陣は2010会計年度(FY10)第4四半期にも黒字を維持すべく、HPLの業績に見直しを加えている。2009年11月から2010年1月にかけて3ヶ月にわたり操業を停止したことからHPLの業績は深刻な影響を受けた。HPLは同期間に日本と韓国から輸入したポリマーの転売を通じ2クロー(US$43.4万)の貿易利益をあげた。
幸いなことに、世界市場におけるエチレンの価格は急速に回復している。2010年1月18日までの1週間にアジアにおけるエチレン価格は120米ドル下降したが、アジアと中東における供給不足やアジアにおける底堅いポリエチレン需要から今年2月に向けてトン当たりFOB価格は1325米ドルに回復している。
西ベンガル工業開発公社(WBIDC:West Bengal Industrial Development Corporation)幹部によると、HPLは、法人債務再編(CDR:corporate debt restructuring)計画に基づき、ローン金利の支払いをせねばならず、HPLが支払い不能に陥らないためには、収益性を維持せねばならない。HPLの将来に向けた経営戦略は既に立案されていると言う。
HPLはFY10上半期に2600クロー(US$5.642億)の粗売上と、110クロー(US$2387万)の税引き利益を計上した。HPLはSupermaxプロジェクトのために取り入れた新規ローンに関しては、一定の返済猶予期間がついているため直ちに返済する必要はない。
HPLは、収益性を高める計画の一環としてエチレンの製造能力を拡大した以外に、70クロー(US$1519万)を投じ、ナフサの分解過程で発生するガスを利用した自家発電施設の建設に着手した。HPLは昨年、HPL Cogenerationの51％の権益をL&Tから180クロー(US$3906万)で買い取り、100％子会社に転換した。HPL Cogenerationはナフサを燃料に118MWの電力とスチームを生産、全量をHPLに供給している。