【ニューデリー】ジャールカンド州Turamdih工場からのウラニウムの供給が2倍に拡大する中、2009年12月の原子力発電量は39%増加、年初9ヶ月(2009/4-12)の発電量も、前年同期比19%の伸びを見た。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが1月24日報じたところによると、年初9ヶ月の原子力発電量の拡大は、ラジャスタン州Kaiga、タミールナド州Madras、マハラシュトラ州Tarapurの発電所を含む主要原子力発電所に対する核燃料の供給が改善したのに伴うもの。
Kaiga原発の年初9ヶ月のプラント負荷率(plant load factor:平均負荷÷最大負荷)は、前年の49.91%から56.10%に、Madras原発のそれは39.29%から52.06%に、Tarapur原発のそれは49.84%から64.31%に、それぞれ上昇した。
ウラニウム燃料の供給不足からインドの大部分の原子力発電所は過去1年以上にわたり50%を下回る稼働率を強いられて来た。この他、Nuclear Power Corporation of India Limited (NPCIL)は、フランスから輸入した核燃料によりRAPS(Rajasthan Atomic Power Station)第2原発の稼働を再開した。またTarapur原発はロシア産ウラニウムの供給を受けられるようになった。
ザ・ヒンドゥーが25日伝えたところでは、RAPS第6反応炉(RAPS-6)は23日午後9時54分に初めて臨界点に達した。NPCILのS.K. Jain会長兼MDによると、RAPS-6は、原子力供給国グループ(NSG:Nuclear Suppliers Group)がインドをそのガイドラインから除外して以来、輸入ウラニウムの供給を受けた3番目の反応炉で、キャパシティーは、220MW(メガワット)。これによりインド国内で稼働する反応炉は合計19基になった。先月稼働したRAPS-5のキャパシティーも220MWで、目下の稼働率は50%。
一方、Gujarat州Surat近郊Kakraparに各700MWの国産加圧重水炉(PHWR:pressurised heavy water reactor)2基を設置する基礎工事は10日前に開始された。
ラジャスタン州Rawatbhattaに別に2基の700MW国産加圧重水炉を設ける工事も6週間以内に開始されると言う。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインによれば、アンドラプラデシュ州沖合Krishna-Godavari(KG)海盆のKG D-6ガス田からガスの供給が開始されたことから、ガス発電所の稼働率も今年初9ヶ月間に31%アップした。この結果、雨期の降雨不足に伴う水力発電施設稼働率の8%低下が多少相殺された。
とは言え原子力発電とガス発電は国内発電キャパシティー全体の小さな部分を占めるに過ぎない。国内発電施設の主要部分を占める石炭火力発電所の稼働率は、国内石炭の供給逼迫と、石炭輸入計画が具体化せぬことから、僅かに上昇したにとどまったと言う。