【ニューデリー】中核インフラ産業6業種は昨年12月に6%の成長を記録、前月の5.3%、前年同月の0.7%の伸びを上回り、景気の復調を裏付けた。
ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、ザ・ヒンドゥーは1月22/23日、商工省の発表を引用し以上のように報じた。昨年12月の6業種の成長率を個別に見ると、鉄鋼完成品9.6%(-8.0%)、電力5.4%(1.5%)、原油1.1%(-0.3%)、石炭2.5%(11.2%)、セメント11%(11.6%)、石油精製0.9%(3.0%)と、鉄鋼/電力/原油3部門が前年同期の伸び(括弧内の数字、以下同様)を上回た反面、石炭、セメント、石油精製3部門の伸びは前年同期を下回った。鉄鋼完成品と、前年同期には及ばなかったものの二桁成長を遂げたセメント、そして電力部門が成長を牽引した。
この結果、工業生産指数(IIP:Index of Industrial Production)の26.7%の比重を占める中核インフラ産業の年初9ヶ月(2009/4-12)の成長率は4.8%となり、前年同期の3.2%を上回った。内訳は、原油-1%(-05%)、石油精製-1%(-05%)、石炭8.3%、セメント11%、電力6%、鉄鋼完成品3.6%。
信用格付け会社Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストは、「政府発表の数字は予想された線に沿ったものといえ、IIPの二桁成長が望める。中核インフラ産業のデータは経済全般の復調を十分反映しているとは言えないが、IIPにはより顕著に反映されるものと見られる」とコメント、インド国際経済関係調査委員会(ICRIER:Indian Council for Research on International Economic Relations)のRajiv Kumar理事兼CEOは、IIPの通年の伸びが現在の7.6%から9%近くに加速するものと予想した。
昨年11月には中核産業伸びが5.3%だったのに対して、IIPが11%を超える伸びを見た。この点からも12月のIIP成長率はかなり高い数字になるものと予想され、農業部門の落ち込みを部分的に相殺するものと見られる。Pronab Sen統計主任(Chief Statistician of India)は21日、第3四半期の農業生産が6~7%の落ち込みを見たものと予想した。