SEAnews 2009-12-18 ArtNo.42953

【ハイデラバード】過去40年に及ぶ紛争に終止符を打つことを目指した中央政府の意図とは裏腹に、テランガナ州創設を認める決定は、アンドラプラデシュ州を未曾有の政治危機に陥らせ、第29番目の州の行方が不透明になっている。
デカン・ヘラルドが12月10日報じたところによると、州都Hyderabadを含む29県から成るアンドラプラデシュ州は、アンドラ沿海地区(coastal Andhra9県)、ラヤラシーマ地区(Rayalaseema4県)、テランガナ地区(Telangana10県：Hyderabad/ Adilabad/ Nizamabad/ Karimnagar/ Medak/ Warangal/ Rangareddy/ Nalgonda/ Khammam/ Mahbubnagar)の3区に分けられる。
テランガナを独立の州として分離する要求は1969年に始まったが、当時の国民会議派政府は、言語集団をベースにした新たな州を組織することを拒絶した。このためM Channa Reddy氏を初めとする国民会議派リーダーはこの年脱党し、テランガナ人民協会(TPS:Telangana Praja Samithi=Telangan Popular Association)を組織した。しかしTPSの分離運動Jai telangana は1971年の流血事件に発展、1972－73年にはJai telanganaに対抗するJai Andhra旋風が生じた。インド人民党(BJP)はJai Andhra運動の先頭に立とうとしたが、友党テルグ・デサム党(TDP:Telugu Desam Party)が反対したため、見合わせた。
こうした中で、2001年にテランガナ州会議(TRS:Telangana Rashtra Samithi)が組織され、Jai telanganaの先頭に立った。国民会議派は2004年の総選挙に際してTRSと手を組み、テランガナ州の設置を認める言質を与えた。しかし結局実現せず、TRSは2年後に国民会議派と袂を分かった。
昨年になってTDPがテランガナ州の組織を支持する立場を表明、これに力を得たTRSのK Chandrashekhar Rao党首は、最近、中央政府がテランガナ州の創設を認めるか、自分が死ぬまで絶食すると宣言、ハンガーストライキに入った。絶食抗議が11日間におよびRao氏支援の声が高まる中、中央政府はついに要求を認め、P Chidambaram内相が、新州組織に着手することを声明した。
中央政府の新方針の下、テランガナ地区だけでなく、アンドラ地区とラヤシーマ地区の一部も新州に加えられる可能性があり、テランガナ地区に属する州都Hyderabadは連邦直轄地になる可能性が予想されている。
現在、州議会の議席配分は国民会議派156議席／その友党7議席／TDP92議席／TRS10議席／大衆規則党(PRP:Praja Rajyam Party)18議席／左派戦線5議席／BJP2議席／その他4議席となっているが、仮に新州の組織を巡り州議会選挙が行われるとすれば、各党の勢力地図が大きく変わるものと予想される。