【ハイデラバード】アンドラプラデシュ州Hyderabadを拠点に特殊鋼の供給を手がける政府系国防企業Mishra Dhatu Nigam Ltd(Midhani)は、400クロー(US$8680万)を投じ熱間圧延鋼板製造施設を増設、主要戦略部門の需要に応じる。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが11月16日報じたところによると、MidhaniのM. Narayana Rao会長兼MDはこのほど同紙に以上の消息を語った。それによると、中央政府は既に原則的に同計画を承認しており、国防研究開発機構(DRDO:Defence Research and Development Organisation)が200クロー(US$4340万)を出資、残りはMidhaniの内部資金と銀行/金融機関からの借入で賄う。
新設備は2012年までに完成し、Midhaniが独自開発した超強力鋼をベースにした広幅板材を製造する。この種の鋼材は核反応炉、軍用車の装甲、インド宇宙研究機構(ISRO:Indian Space Research Organisation)の極軌道打ち上げロケット(PSLV:Satellite Launch Vehicle)及び静止衛星打ち上げロケット(GSLV:Geosynchronous Satellite Launch Vehicle)等の製造に用いられる。現在この種の鋼材は、Steel Authority of India Ltd (SAIL)のRourkela工場で製造しているが、需要に追いつけない状況という。
Midhaniはまた、原子力産業、宇宙産業、国防産業の特殊鋼材需要に応じるため、鍛造設備(forge press)、真空アーク製錬炉(vacuum arc refining furnace)、電気鉱滓精錬炉(electro slag refining furnace)各1基も増設、この方面の国産比率を高める。Mini Ratnaステータスを認められたMidhaniは、取り分け今後急増する見通しの原子力産業の需要に応じるべく準備を整えていると言う。