2009-11-13 ArtNo.42848
◆ルノー日産、終にBajajと超低価格車合弁契約に調印
【ニューデリー】Renault-NissanとBajaj Auto Ltd(BAL)は10日、インド国内で超低価格小型乗用車(ultra low-cost small car)を製造する合弁契約に終に調印、当初の予定より1年遅い2012年に新モデルを市場に投入すると発表した。
インディアン・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥーが11月11日報じたところによると、ルノー日産のCarlos Ghosn重役はこの日記者会見し、以上の消息を語った。それによると、合弁契約の下、BALは設計、エンジニアリング、ソーシング、製造を担当、ルノー日産はマーケッティングを引き受ける。マーケッティングにはブランディングや部品の販売も含まれる。価格はインドで現在生産されている如何なる車よりも低く設定される。(これは明らかに10万ルピー・プラスで販売されているTata Nanoを意識したものと見られるが、具体的価格を明示されなかった。)ゴーン氏によると、小型車はNanoと同じカテゴリーに属し、1リッター当たり20キロを上回る燃料効率を実現する。ターゲットとする主要市場はインドだが、輸出も行う。
ルノー日産が超低価格の実現に照準を合わせているのに対し、BALは多少コストが嵩んでも高い燃料効率を実現することを目指しており、こうした点で両者に意見の相違が存在すると伝えられていた。ゴーン氏はこの点について、「意見の相違は克服され今や両者は同じビジョンを共有している」と語った。
デザインは2008年末に設定されており、伝動装置やエンジン等のエンジニアリング面のアスペクトもほぼ固まったもようで、出資率については2008年当時BALが50%、ルノーと日産が各25%と発表されている。ゴーン氏は出資率の変更には言及しなかった。
ルノー日産がタミールナド州Chennaiに建設中の年産40万台の新工場は来年3月に稼働する。現在ルノー日産のインド市場シェアは1%に満たないが、インド市場のニーズに合ったモデルの投入を通じこうした状況の改善を図る。ルノーがMahindra & Mahindraとの提携の下にインド市場に投入している唯一のモデルMahindra Loganの売れ行きは芳しくないが、この点についても改善を図ると言う。
エコノミック・タイムズが12日伝えたところでは、ルノー日産とBALは2008年5月、新工場を設け年間40万台の超低価格車を製造する計画を発表、プロジェクト・コストを1500クロー(US$3.25億)前後と見積もっていた。しかし、BALのRajiv Bajaj重役(MD)によると、超低価格車のコンポーネントの70~80%は、同社が目下製造販売している二輪三輪車のコンポーネントと共通しており、その利用によりプロジェクト・コストを200~300クロー(US$4340万-6510万)に引き下げることができると言う。
一方、ホンダの伊東孝紳社長は11日当地で、「同社はタタのNanoに対抗する超低価格車を製造する考えはない。しかしインド市場に第2の小型車を投入する準備を進めている」と語った。同社は今年初、初のコンパクト・カーJazzをインド市場に紹介している。
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