【ニューデリー】今年9月の輸出額は136億米ドルと、昨年同月の158億米ドルに比べ13.8%下降した。しかし下降幅は今会計年度に入って以来最も小幅だった。
ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、デカン・ヘラルドが10月30日報じたところによると、商工省のRahul Khullar次官は29日、以上の数字を明らかにした。それによると、落ち込み幅は5月に39%、7月に28.4%、8月に19.5%と、月を追って縮小する傾向を見せており、輸出部門が徐々に回復しつつあることが窺える。
この結果上半期(2009/4-9)の輸出額は779億米ドルと、前年同期の1089億米ドルに比べ28.5%減少した。
統計数字には、復調の兆しが見られ、正確な時期を予想するのは困難だが、輸出成長は第3四半期末か第4四半期の始めにプラスに転じるものと見られる。2008-09年の輸出額は1680億米ドルを記録、2009-10通年の輸出額は1650億~1750億米ドルに達するものと予想される。輸出下降幅は2008年10-12月期の26.6%から2009年6-9月期の14.6%に縮小した。
今会計年度に入って以来3四半期の輸出は改善している。特に宝飾品、工学製品、石油製品、既製服、薬品、医薬、化学品、鉄鉱石、人造繊維、果実野菜、タバコ、米、海産物の上半期のパフォーマンスは、40%の落ち込みを見た昨年同期に比べ復調している。しかし電子製品部門は依然不振で、手工芸品部門は米国、欧州連合(EU)、日本等の伝統市場の需要後退で大幅な落ち込みを見ている。これらの部門は引き続き政府の刺激策を必要としている。こうした中でニュージーランドやオーストラリア等の新市場の開拓は伝統市場の需要減退を補うクッションの役割を果たしていると言う。
インド輸出組織連盟(FIEO:Federation of Indian Export Organisations)のA Sakthivel会頭によると、復調の波はすぐそこまで来ており、今会計年度下半期にはプラス成長を回復できるものと見られる。しかし政府の刺激策はなお暫く維持する必要があると言う。
ちなみに2008-09年の輸出額もこれ以前に発表された1630億~1650億米ドルから1851億米ドルに上方修正された。商業情報・統計総局(directorate general of commercial intelligence and statistics)の当初の数字には、一部の特別経済区(SEZ)の輸出データが含まれていなかったためで、取り分け宝飾品の輸出額が、当初の数字より大幅に増加した。今年9月の貿易統計の詳細は11月2日に発表されると言う。