2009-10-27 ArtNo.42786
◆中央調査局の捜査の背後にDOT次官と通信相の反目?
【ニューデリー】A Raja通信情報技術相は、通信ライセンスの発行と周波数域の割当を巡り電信局(DOT)のDS Mathur当時事務次官の強い抵抗に直面していた。Mathur次官の抵抗は極めて頑強で退任するまで如何なる書類にも署名することを拒むほどだった。このためラジャ通信相は2007年12月31日にMathur次官が退任するのを待って、2008年1月末までに民間企業8社に問題のライセンスを発行した。
インディアン・エクスプレスが10月26日伝えたところによると、Mathur次官は『公正で透明な政策』なくしては新規ライセンスの発行や周波数域の割当はできないと強く主張していた。これに対してラジャ氏は全ての処理は首相の同意も得、インド電気通信監督局(TRAI:Telecom Regulatory Authority of India)の提案に基づいてなされたと反論している。
匿名のDOTオフィシャルによると、当時Mathur次官は、2007年9月25日と言う恣意的な最終期限を設けてライセンスを発行することに法的裏付けはないと反対するとともに、優良な申請者を選考する政策を先ず立案すべきだ、換言すれば不動産サービス会社とテレコム企業の何れにライセンスを発行するのか基準を設ける必要がある、と主張した。しかし、最終的にライセンスはUnitechやDynamix Balwas Groupと言った不動産会社に発行された反面、米国のテレコム企業AT&T等には発行されなかった。
ラジャ氏は、2007年5月に通信相に就任すると、Mathur氏を呼び、およそ500社に新規ライセンスを発行する計画を伝えたが、同次官は「十分な周波数域が存在しないため、不可能」とし、さらに「周波数域の配分方法とライセンス料を設定する必要がある」と指摘した。
当時、大蔵省を代表してテレコム委員会の委員を務めたManju Madhavan氏も、ライセンスは競売を通じて発行し、公正な価格を実現すべきだと提案したが、ラジャ通信相は、2001年の競売価格をベースにしたライセンス料をそのまま用いてライセンスを発行した。このためMadhavan氏はテレコム委員会委員を辞任し、抗議した。
Mathur次官は、「先着順にライセンスを発行するにしろ、周波数域を配分するメカニズムを確立せねばならない。さもなければ新規ライセンス取得者はほぼ同時に必要資金を調達せねばならなくなる」と指摘した。ラジャ通信相はMathur次官のこうした提案の何れも受け入れず、両者の合意は終に実現しなかったと言う。
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