SEAnews 2009-10-02 ArtNo.42710

【バンガロール】情報技術(IT)及び研究開発(R&D)サービスを手がける地元企業Mindtreeは、カリフォルニア拠点のKyocera Wireless Corp (KWC)と、後者のカルナタカ州Bangalore拠点のインド子会社Kyocera Wireless India(KWI)を買収する契約を結んだ。MindtreeはKWCに対し頭金600万米ドルを支払う他、向こう2年間に、売上げにリンクした支払いを行う。
デカン・ヘラルドとビジネス・スタンダードが9月29／30日伝えたところによると、2003年に設立されたKWIの従業員は約600人で、KWC向けにワイヤレス製品開発、ソフトウェア工学、製品検査等のサービスを提供している他、インドのテレコム・サービス業者のためにカスタマイズされた携帯電話端末の開発も手がけており、Mindtreeに買収された後もKWC向けサービスは継続する。
MindtreeはKWIの買収を通じ急成長する製品工学サービス(PES:product engineering services)領域におけるプレゼンスを強化できる。MindTreeは同買収に伴う2009年10月から2010年3月の間の売上げ増を約900万米ドル、税引き利益率を13～15％と見込んでいる。
京セラ執行役員(GM)の山本康行氏は「MindTreeとの今回の取引は、京セラのコスト構造改善に役立つだけでなく、MindTreeに対しても、取り分け移動体通信関連ソフトウェア領域の強力なエンジニアリング資源を提供する」と語った。
MindTreeは今年3月の組織再編後、PESを5つの急成長領域の1つとして重視、Janakiraman S社長兼CEOを、R&Dとアウトソーシング・サービス(OPD:outsourced product development)から成るPES部門のトップに据えた。
MindTreeのKrishnakumar Natarajan重役(CEO兼MD)によると、KWIは10月1日をもってMindTreeの完全出資子会社になる。KWIのSamartha Nagabhushanam社長は引き続き社長兼CEOとしてKWIを率い、Janakiraman社長兼CEOに報告義務を負うと言う。
アナリストらによると、もともと組み込みソフト・ビジネスを中核としていたMindTreeは企業買収を通じて事業の拡張を図り、取り分けテレコム事業領域への進出を加速して来た。同社はAztecsoftの買収によりソフトウェア領域の能力を大幅に強化したが、KWIの買収はこうしたMindTreeの事業を補完し、取り分けテレコム領域のプレゼンス拡張に役立つと言う。