2009-09-25 ArtNo.42682
◆モロッコ、インド企業のリン酸塩工場完全出資を容認
【ニューデリー】世界最大の高品質な燐灰岩(rock phosphate)資源を保持するモロッコの国営企業OCP Groupはこのほど、インド企業が燐灰岩の採掘に進出しない限り、モロッコ国内に完全出資のリン酸塩製造施設を設けることに反対しないとの立場を表明した。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが9月21日報じたところによると、OCPグループ会長兼CEOの顧問を務めるMohammed Belmahi氏はこのほど以上の考えを語った。
現在、OCPグループは、Tata Chemicals及びK.K. Birla Group傘下のChambal Fertilisers and Chemicals Ltdと、3社の対等出資(各3分の1出資)で、モロッコのJorf Lasfar工業ハブ内に、年産43万トンのリン酸塩製造施設Indo Maroc Phosphore SA (IMACID)を設けている。
OCPがK.K. Birla Group傘下のZuari Industries Ltdと50:50の合弁でインドに設けたZuari Maroc Phosphates Ltd (ZMPL)が80.45%出資するParadeep Phosphates Ltdは、オリッサ州に年産72万トンの燐酸二アンモニウム(DAP:di-ammonium phosphate)製造施設を有する。
Belmahi氏によると、年商79億米ドルのOCPはインド企業がモロッコに100%出資のリン酸塩製造施設を設けることを認める。しかし燐灰岩の採掘と輸出は引き続きOCPが独占経営して行く。またOCPはインド国内にZMPL方式によりリン酸塩やDAPの製造施設を設けることを検討している。OPCの海外におけるリン酸塩事業は何れも地元パートナーとの合弁方式を採用している。
IMACD以外にも、インド企業が関係したリン酸塩合弁事業3社が存在する。セネガルのDarouにはIndustries Chimiques du Senegal (ICS)が年産66万トンの製造施設を設けており、Indian Farmers Fertiliser Cooperativeとインド政府が合計19%出資している。南アフリカのRichards Bayには、Foskor (Proprietary) Ltdが年産72万トンの製造施設を設けており、Coromandel Fertilisers Ltdが15%出資している。そして、ジョーダンのEshidiyaには、Indo Jordan Chemicals Company (IJCC)が年産22万4000トンの製造施設を設けており、Southern Petrochemical Industries Corporationが52%出資している。この他、Coromandel Fertilisers/Gujarat State Fertilisers and Chemicals Ltdが合計15%出資するTunisian Indian Fertilisers SAは、2011年初の稼働を目指し年産36万トンのリン酸塩製造施設を建設中だ。
インドは、年間520万~530万トンの燐灰岩と同220万~230万トンのリン酸塩を輸入している。この内、燐灰岩はジョーダンから250万トン、モロッコから110万~120万トンを輸入、他にエジプト、アルジェリア、トーゴからも輸入している。リン酸塩はモロッコから100万トン、南アフリカから50万トン、チュニジアから30万トン、セネガルから20万トン、ジョーダンから15万トン、米国から20万トンを、そらぞれ輸入していると言う。
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