2009-09-25 ArtNo.42678
◆自動車/通信業、広告費削減に関わらず売上げアップ
【ニューデリー】インド商工会議所協会(Assocham:Associated Chambers of Commerce and Industry of India)の最新調査報告によると、インドの自動車及びテレコム業界は2008-09会計年度に広告・宣伝費を削減したにも関わらず、顕著な売上げの増加を見た。
インディアン・エクスプレスが9月21日伝えたところによると、AssochamのSajjan Jindal会頭は「サービスがインド経済の推進力になる中、広告はテレコムやFMCG(fast moving consumer goods)等、躍動する産業の成長に欠かせぬ重要コンポーネントになっている」とした上で、自動車/テレコム業界に昨年生じた上記の現象は、こうした潮流に相反するものと指摘している。
それによると、携帯電話の契約者は昨年50.1%増加したが、同業界の広告宣伝費は3%減少した。Reliance Communicationsは昨年広告宣伝費を26%カットしたにも関わらず、同社の純売上げ(net sales)は21%増加した。
主要二輪車メーカーの広告費は昨年5.87%減少したものの、同業界の純売上げは2.5%増加した。TVS Motorsは広告支出を12.02%カットしたが、純売上げは14.02%増加した。
とは言え、全てのプレーヤーが広告支出をカットした訳ではなく、Airtelは広告支出を10%アップし、純売上を32.50%拡大させた。Tata Telecommunicationsは広告支出を64%増額し、純売上げを14.2%増加させた。また広告支出を32.94%カットした二輪車メーカーBajaj Autoの純売上げは6.60%下降したと言う。
一方、ヒンドゥー・ビジネス・ラインは22日、ドイツの業界誌アウトモビルヴォッヘ(Automobilwoche)の報道を引用しVolkswagen(VW)のスズキへの出資が実現するなら、インド自動車市場に興味深い波及効果がもたらされるかも知れないと報じた。それによると、フランクフルト国際自動車ショー(Frankfurt Auto Show)に参加したスズキ幹部は、交渉はかなり進んでいるとし、年内に基本合意に達する可能性を示唆した。
消息筋によると、スズキは、トヨタに代わって世界最大のカーメーカーに成るものと予想されるVWの技術にアクセスできる。VWは中国市場では成功したものの、インドの小型車市場においてはさしたる成果を上げていない。このためインド市場のリーダー、スズキから恩恵が得られそうだ。VWは取り分けMaruti Suzuki India Ltd (MSIL)のロー・コスト・ベースを梃子に競争力ある価格で、主要コンポーネントを調達できる。スズキもまたVWから幅広いディーゼル・エンジンを手に入れられる。このことは単にインド市場だけでなく、東欧や中国、ひいては日本市場においてさえ、スズキの競争力強化に役立つものとみられると言う。
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