【ニューデリー】インド政府は豚インフルエンザ治療薬タミフルの原料シキミ酸(Shikimic acid)を国内で開発する4つの組織をリストアップした。目下のところ国内の製薬会社はこの種の原料を専ら輸入に依存している。
インディアン・エクスプレスが9月19日伝えたところによると、これらの組織には①デリー大学(Delhi University)、②マハラシュトラ州Punjab拠点の国立薬科教育研究学院(National Institute of Pharma Education and Research)、③インド工科大学(IIT:Indian Institute of Technology)Delhi校が含まれる。これらの組織はシキミ酸を生産するための研究開発(R&D)活動を既に開始している。4番目の組織は、マハラシュトラ州Mumbaiを拠点にするIIT Powai校のようだ。
インド政府は、シキミ酸を国内で生産する努力の一環として、インド医学研究評議会(ICMR:Indian Council of Medical Research)内に専門家チームを組織、新たな原料生産プロセスの開発に関する意見聴取を開始した。保健省筋によると、大部分の研究機関は研究室における生産プロセスに着手しており、後は規模を拡大するだけである。
豚インフルエンザの流行が拡大し、タミフルとして知られるオセルタミビル(Oseltamivir)の需要が急増する中、中国産大茴香から抽出されるシキミ酸の供給が逼迫している。
中国政府はシキミ酸の供給と輸出を手がける企業に、自然抽出物の在庫情報を一般に提供する前に当局の認可を取得するよう求めているようだ。中国はシキミ酸の最大供給国になっている。シキミ酸の70%は大茴香から抽出されており、残りの30%は、遺伝子を組み換えた大腸菌から採取している。当初キロ当たり40米ドルだった、シキミ酸の価格は今では1000米ドルに急騰している。インド政府は国内のタミフル在庫量を当初の1000万錠から4000万錠に拡大、シロップの在庫も確保している。政府はこの他、製薬会社と600万カプセル分の材料を確保する取り決めも行っているている。
政府の定めたスケジュールXの下、在庫・販売ライセンスを所持する薬局480店が政府管理下のタミフル販売を認められている。
政府はまた、国内の豚インフルエンザ・ワクチン開発業者3社-Serum Institute/Panacea Biotec/Bharat Biotech-と、各10クロー(S$208万)のワクチン購入予約も結んでいる。