【ムンバイ】原子力委員会(AEC:Atomic Energy Commission)のAnil Kakodkar会長は、このほど、少なめの低濃縮ウラン(LEU:Low Enriched Uranium)とトリウムを燃料として用いる、次世代安全基準も満たした改良型重水炉(AHWR:Advanced Heavy Water Reactor)新バージョンの設計を完了したと語った。
ビジネス・スタンダードが9月16日報じたところによると、Kakodkar会長は、国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)総会の席上、以上の消息を明らかにした。それによると、『低濃縮ウラン使用改良型重水炉(AHWR-LEU:Advanced Heavy Water Reactor-Low Enriched Uranium)』と命名された新型重水炉は、発生エネルギー1単位当たりの採掘ウラン(mined uranium)の使用量が既存の熱増殖炉(thermal reactor)に比べて顕著に少ない。AHWR-LEUは、小規模な電力網を有する国の中型反応炉の需要に応じることができ、加えて次世代発電システムの基準を満たしている。
Kakodkar会長は、「豊富なトリウム資源を有するインドは、ウランとトリウムの国内埋蔵量をベースにした原子力発電プログラムを立案するとともに、燃料再処理方式を採用しているが、AHWR-LEUは、使用済み燃料を未処理のまま保存する一方向燃料サイクルモード(once-through mode)においてさえ極めて高い競争力を有する」と述べ、インドがこの種の反応炉を輸出する準備ができたことを示唆した。原子力局(DAE:Department of Atomic Energy)は、潜在顧客の参考に供するため、早速会議出席者らにAHWR-LEUのパンフレットを配布した。