【ニューデリー】インドは14日、新たにモンゴルとウラニウムの供給に関わる民生用核協力協定を結んだ。世界のウラニウム資源の6%を有するモンゴルのツァヒアギーン・エルベグドルジ(Tsakhiagiin Elbegdorj)大統領はこのほど4日間の日程でインドを公式訪問、関係協定は同訪問日程の初日に調印された。
インディアン・エクスプレスが9月14/15日報じたところによると、インドのManmohan Singh首相とエルベグドルジ大統領の14日の会談後、両国原子力局(DAE:department of atomic energy)幹部は、『放射性鉱物と核エネルギーの平和利用領域における協力促進(development of cooperation in the field of peaceful uses of radioactive minerals and nuclear energ)』を目指す覚書に調印した。ちなみにエルベグドルジ大統領は今年6月の就任以来最初の訪問地にインドを選んだ。
この日、両国は別に4つの協定に調印、インド政府はモンゴル経済の活性化を支援するため2500万米ドルのソフト・ローンを提供する方針を発表した。インドはモンゴルに対し教育、取り分け英語教育や情報技術(IT)領域における支援を提供する。この他、鉱業、農業領域における両国の協力の潜在性は大きい。
インド商工会議所連盟(FICCI:Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry)は、モンゴル外国投資貿易庁(FIFTAM:Foreign Investment and Foreign Trade Agency of Mongolia)と、両国間の貿易関係を強化するための覚書を交換した。
インディアン・エクスプレスが17日伝えたところでは、インドの大手鉄鋼メーカー、JSW Groupは、モンゴルにおける鉱山開発を目指し、現地企業と初歩的な話し合いを進めている。JSW GroupのSajjan Jindal副会長兼MDは16日ニューデリーで催された第2回インド・モンゴル・ビジネス会議の会場で以上の消息を明らかにした。それによると、JSWはコークス用炭と鉄鉱石を必要としている。インド人とモンゴル人は多くの共通点を有し、モンゴルにおけるビジネスは比較的容易だが、中国とロシアに挟まれたモンゴルは陸の孤島で如何に物資を輸送するかが鍵になる。モンゴルにはウラニウム、鉄鉱石、コークス用炭、銅、金等の鉱物資源が豊富に存在すると言う。
一方、デカン・ヘラルドが15日報じたところによると、インドはモンゴルとのウラニウム取引に次いで、トルクメニスタンのガスに照準を合わせたようだ。S M Krishna外相は16日から中欧のベラルーシと中央アジアのトルクメニスタン両国の訪問を開始した。外相は、トルクメニスタンでは、同国政府筋と、トルクメニスタン/アフガニスタン/パキスタン/インド(TAPI)ガス・パイプライ・プロジェクトに関して意見を交換するものと見られる。トルクメニスタンは年間600億立方メートルの天然ガスを生産、その3分の2をロシアに輸出しているが、新たな輸出市場の開拓を目指している。