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2009-09-08 ArtNo.42628
◆ルック・イースト&ウェストで対ロ政策の地盤沈下
【ニューデリー】インドは最近、ルック米国/欧州連合(EU)そしてルック・イースト政策に重心をシフト、長期にわたって親密な関係を築いて来たかつてのソ連邦諸国、取り分けロシアとの関係が疎遠になっている。ロシア関係担当の政府筋は、このほど以上の懸念を表明した。
インディアン・エクスプレスが9月3日、匿名を希望する同筋の言を引用し報じたところによると、経済戦略の立場からすれば、インドはイニシエーターと言うよりは、ファイアファイター(消防士)で、ロシアと独立国家共同体(CIS)市場の喪失は、外務省と商工省双方の大失態と言える。何故なら両省は、如何なる経済外交戦略も展開せず、インドとロシア/CIS両サイドのビジネスマンの懸念に対応することもしなかった。ビジネス環境は、官僚主義に支配され、不透明で、合理的コストの不動産や法制も欠如、ビジネスマンは出張しようにも査証を手に入れることができない状況にある。
ソビエト連邦の崩壊後、貿易、経済交流は激減し、双方、取り分けロシア側の経済体制には構造的変化が生じた。その結果、政府がスポンサーを務める貿易関係は終焉した。その後、往復貿易は35億米ドル前後の水準にあったが、ここ2、3年急増し60億米ドルを超えるようになった。不幸にしてロシアとの貿易にルピー・ファンドが用いられないことが、再び下降線を辿る伏線になっていると言う。
ジャワハルラル・ネール大学ユーラシア基金のArun Mohanty所長によると、ロシアとの二国間貿易には、インフラ面の問題が存在し、銀行決済及びロジスティクス面のネックを解消する必要がある。先ず第1に、インドの銀行はロシアの銀行が発行した信用状を引き受けない。第2にインド製品をスエズ経由でロシアに輸出すれば到着するまでに約50日を要する。欧州から輸入すれば、5日間で到着するため、ロシアの輸入業者は、インド製品のために長期間資金を滞留させることを望まない。もし南北輸送回廊(north-south transport corridor)が建設されるなら、輸送期間を50%短縮できる。またインドの輸出業者はロシア向け輸出を100%カバーする保険制度を必要としている。現在インドとロシアの貿易の大きな部分は民間部門により手がけられているが、双方の民間部門の意思の疎通は十分はかられていない。
今年末にはManmohan Singh首相がモスクワを訪れ、年次首脳会議が催される。それに先だってAnand Sharma商工相が、貿易投資に関するインド・ロシア・フォーラムに出席するため、ハイレベルな代表団を率いて9月30日~10月3日の間ロシアを訪問する。またセント・ペトロブルグでインド・ショーが開かれる。インドとロシアは2010年までに往復貿易額を100億米ドルに引き上げることを目指していると言う。
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