【ニューデリー】インドは今年第1四半期(2009/4-6)に昨年同期とほぼ同レベルの2600万トンを輸出した後、7月には前年同月比約2%増の590万トンの鉄鉱石を輸出した。
エコノミック・タイムズは8月31日、鉄鉱石輸出業者協会(AIOE:Association of Iron Ore Exporters)の統計を引用し以上のように報じた。それによると、鉄鋼省は、国内鉄鋼業界向け供給を確保する狙いから大蔵省に鉄鉱石の輸出に10%の税を課すよう提案しており、7月の鉄鉱石輸出の増加は、大蔵省が同提案を検討している矢先のことだった。国内鉄鋼業界は過去5~6ヶ月原料の供給不足に直面している。しかし鉄鉱石に輸出税を課すなら、国営Mineral and Metal Trading Corporation(MMTC)の他、Sesa Goa、Mysore Sales Pvt Ltd(MSPL)、Roongta Mines、Chowgule等の鉄鉱石輸出業者が影響を受ける。ゴア鉱物輸出業者協会(GMOEA:Goa Mineral Ore Exporters Association)/Kudremukh Iron Ore Company(KIOC)/MMTCの統計によると、7月の輸出量は6月の560万トンの輸出を5.4%上回った。
インド鉱業連盟(FIMI:Federation of Indian Mineral Industries)のRK Sharma事務局長によると、インド産鉄鉱石に対する海外の需要は主に中国の小規模鉄鋼メーカーによるもので、この種の中国企業はスポット市場で原料を調達している。中国の大規模鉄鋼メーカーは目下、BHP BillitonやRio Tinto等の国際サプライヤーと年次長期契約交渉を進めており、供給価格の50%カットを求めている。このため中国の大手鉄鋼メーカーからの需要は増加していない。こうした状態は向こう数ヶ月続きそうだ。
インドは年間2億トンほどの鉄鉱石を生産し、半ばを輸出している。輸出の80%は中国向けで、残りは日本と韓国に供給されている。