【ニューデリー】マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は24日、インド政府が進める国民一人一人に多目的身分証明カード『UID:Unique Identification』を発行する計画に強い関心を表明した。
インディアン・エクスプレスが7月24日伝えたところによると、ソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)がこの日当地で主催した『NASSCOM CEO Forum』の席上、ゲイツ会長は「マイクロソフトはインド認識標管理局(UIDAI:Unique Identification Authority of India)のプロジェクトに参加を希望する」と語った。
ゲイツ氏はこの日UIDAIのNandan M Nilekani会長とも会談し、関係問題を協議した。これまでインド第二のソフトウェア輸出会社Infosysの共同会長を務めて来たNilekani氏(54)は、Manmohan Singh首相の懇請を受け、閣僚級のUIDAI会長ポストに前日就任したばかり。Nilekani氏は向こう12~18ヶ月間に最初のUIDナンバーを発行することに自信を表明した。
Nilekani氏によると、UIDAI自身は、その実、如何なるバイオメトリック・カードも発行しない。その代わり必要なデータベース・システムを準備し、他の政府機関がIDカードを発行するのを支援する。同IDシステムを利用した様々なアプリケーションの開発が可能で、例えば政府は、同システムを通じ、異なる階層の国民のニーズに応じたきめの細かい福祉政策を実行できる。国民はまたこうした政府のサービスを受ける際、身分証明手続きの重複を回避できると言う。
デカン・ヘラルドが26日伝えたところでは、UIAIの次官兼CEOにはNilekani氏の友人のRam Sevak Sharma氏が就任、Nilekani氏に代わってUIAIの日常業務を取り仕切る。インド工科大学(IIT:Indian Institute of Technology)Kanpur校で数学修士号、California Universityで電算科学修士号を、それぞれ取得したSharma氏は1978年にインド行政サービス(IAS:Indian Administrative Service)オフィサーの職についたと言う。