1995-12-09 ArtNo.4239
◆<星>総合要素生産性が持続的成長の鍵に:ゴー首相
【シンガポール】人為的に促成栽培されたシンガポール経済が早晩崩壊するとの西側エコノミストの説は謬論だが、外国の資本とアイデアの導入を基調としたこれまでの経済政策は、21世紀に向けての新たな競争環境を乗り切るには不十分なものとなっている。
シンガポール経済協会(ESS)が7日主催したASEAN経済協会連合会の開幕式の席上、ゴー・チョクトン首相は、東アジアの経済的奇跡に対する米国スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学エコノミストの懐疑論を引き、以上のように警鐘した。それによるとシンガポールは教育、訓練に大量の投資を行うとともにマクロ経済的視野に立った社会政策も導入しており、決してステロイド上に速成された脆弱な経済ではない。しかしながらこれら西側エコノミストの主張は全く的外れと言う訳ではなく、東アジアの経済水準が西側先進国に接近するに従って、独自のアイデアや技術により多く依存せざるを得なくなる。取り分け未だ準備が整っていないにも関わらず開発途上国からの卒業を求められているシンガポールにとってこのことはより緊急な課題となっている。シンガポールの経済構造や教育水準、技術レベルは依然として先進国のレベルにはほど遠い状況に有り、しかもマレーシアやタイ等の急速な追い上げを受けている。こうした中で、これまで以上に効率と創意性を求められるシンガポーリアンにとって、総合要素生産性(TFP)は単なる論理学上の概念ではなくなっていると言う。(ST,BT,LZ:12/8)
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