SEAnews 2009-06-23 ArtNo.42360

【ニューデリー】卸売物価指数(WPI)をベースにしたインフレ率は6月6日までの1週間に－1.61％を記録、過去30年来初めてマイナス成長に陥った。これは主に比較の対象になる昨年同期のインフレ率が高かったことによる。
リセッションの影響で欧州諸国が、ほとんどゼロ・インフレになっているものの、インドは現時点ではデフレを記録した唯一の国かも知れない。インド政府は、この点に関して「これは尋常ﾈことではないが、政策面の変化をもたらすことはない」とのコメントを発表した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、デカン・ヘラルドが6月18／19日、商工省の発表を引用し報じたところによると、6月6日までの1週間のWPIは1.61％下降、前週の0.13％の上昇に比べ、急降下した。これは燃料、電気が大幅に値下がりしたのに伴うもの。これらの品目は比較の対象になる昨年同期に急騰しており、そのベース効果(base effect)で、大幅な落ち込みを見た。
しかし、一次産品(Primary Article)グループ価格は、前週の5.7％を上回る5.8％の上昇を記録した。一次産品の中では食品が前週の8.6％を上回る8.7％の値上がりを見た。
燃料・電気グループは前週の－6.7％から－12.8％に、落ち込みの幅を拡大した。製造業品目の値上がり幅は前週の0.4％から0％に鈍化した。
大蔵省は、「今年末までにプラスにもどる可能性が大きく、2009－10通年のインフレ率もプラスを記録する」と見通している。インドは1974年末から1975年初にかけてマイナス・インフレを記録した経験を有する。