【ニューデリー】Reliance Industries Ltd (RIL)が2ヶ月前にアンドラプラデシュ州沖合Krishna Godavari海盆で天然ガスの生産を開始した際には、多くの買い手が先を争ってガスの配分獲得を図ったが、今では状況は一変し、キャパシティーを下回るガス田稼働率に悩むRILの方が買い手獲得に躍起になっている。
エコノミック・タイムズが6月12日報じたところによると、RILオフィシャルは同紙のインタビューに対して、KGガス田は既に40mmscmd(metric million standard cubic meters per day)のキャパシティーを備えているが、生産量は26mmscmdにとどまっていることを確認した。
第1の問題は最大顧客のNational Thermal Power Corporation (NTPC)が依然としてガス購入契約に調印していないこと。電力産業に配分された18mmscmdの内、NTPCは約3mmscmdを買い取ることになっている。
ボンベイ高裁でRILと訴訟中のNTPCは、ガス売買契約(GSPA:gas sale and purchase agreement)の条件にも注文を付け、マーケッティング・マージンの引き下げを要求している。RILによると、GSPAは政府のガイドラインに基づいてバイヤーとの間で合意されたもので、NTPCのためだけに変更することはできないと言う。
Ratnagiri Gas Power(旧称Dabhol Power)とは、最近やっと契約調印にこぎ着け、2mmscmdを供給することになったが、同社はまだ実際のソーシングを開始していない。
一方、15mmscmdが割り当てられた肥料業界は、割当量の75~80%しか消化していない。肥料会社は、遙かに安価な統制価格制度(APM:administered price mechanism)下のガスを先ず使用し、RILからの調達を後回しにしている。APMガスはGas Authority of India Ltd(GAIL)により供給されている。APMガスの価格は1mmbtu(million metric British thermal unit)当たり2ドルと、1mmbtu当たり4.20米ドルのRILのガス価格を遙かに下回っていた。しかしここに来てAPMガスが急騰し、肥料会社に打撃を与えている。
RILはキャパシティー以下の稼働を強いられている問題を既に石油天然ガス省に陳情しており、石油天然ガス省は12日、化学・肥料省及び電力省と同問題を協議したもようだ。
石油省筋は、「生産の開始があれほど待望されていたKGガス田が低稼働率を強いられているのは極めて遺憾なこと」とコメントした。