【ニューデリー】今年3月、インドに流入した外国直接投資(FDI)は20億米ドルと、昨年同月の44億4000万米ドルに比べ55%以上の落ち込みを見た。
ビジネス・スタンダードとインディアン・エクスプレスが5月12/13日報じたところによると、FDI流入額の公式統計は今年1月までしか発表されていないが、FDIの月間流入額は過去6ヶ月間に5回マイナス成長を記録したことになる。2009年2月のFDI流入額も前年同月の56億7000万米ドルから14億9000万米ドルに73%減少した。2008-09年度FDI流入額は9月までは月間平均28億米ドルに達していたが、10月に前年同月比26%減の14億9000万米ドル、11月に同26%減の10億米ドル、12月に同13%減の13億6000万米ドルと、下降線を辿った。2009年1月のFDI流入額は27億4000万米ドルと、前年同月の17億7000万米ドルに比べ55%増加したが、続く2月と3月は再びマイナス成長に陥った。
この結果2008-09通年のFDI流入額は273億8000万米ドルと、前年(2007-08)の245億米ドルを11.75%上回った。インド政府は当初、2008-09年のFDI誘致目標を350億米ドルに設定していたが、その後300億米ドルに下方修正した。しかし下方修正後の目標も達成できなかった。政府は2009-10年にも同様のターゲットを設定している。
ちなみに、2006-07年のFDI流入額は155億米ドルだった。まら2000年4月以来2009年3月までのFDIの累積流入額はおよそ900億米ドルに達した。
信用格付け会社Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストによると、世界的に景気が後退する中、今会計年度の状況は2008-09年に比べ一層厳しくなっていると言う。
とは言え、商工省傘下産業政策振興局(DIPP:Department of Industrial Policy and Promotion)のGopal Krishna次官補は、先月、「仮にFDIの再投資分を含めるなら2008-09年のFDI総額は375億米ドルに達する。FDIの流入は減速したものの、先行きの見通しは依然ポジティブで、2009-10年のFDI総額は再投資分を含め400億米ドルを超えるものと見られる」と語っていた。