SEAnews 2009-05-15 ArtNo.42224

【ニューデリー】今年3月の工業生産指数(IIP:index of industrial production)は、1994年に同指数が採用されて以来、したがて16年来最悪の2.3％のマイナス成長を記録した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥー、インディアン・エクスプレスが5月12／13日報じたところによると、部門別伸び率を見ると、IIPの80％の比重を占める製造業の伸びが－3.3％(5.7%)、鉱業部門が0.4％(4.9%)、電力部門が6.3％(3.7%)と、電力部門以外は、極めて低調だった(括弧内は前年同期の数字、以下同様)。3月には輸出も1995年4月以来最悪の33.3％の落ち込みを見ている。とは言え、今年3月のIIPは297.9と、今年2月の274.2を9％上回った。昨年同月のIIP伸び率は5.5％で、また今年2月の伸び率は、これ以前に発表された－1.2％から－0.72％に上方修正された。
用途に基づく分類(use-based classification)によれば、資本財部門の伸びが－8.2％(20.3%)、消費財部門が－0.8％(0.9%)、耐久消費財部門が8.3％(-2%)、非耐久消費財部門が－3.6％(1.9%)、中間財部門が－4.4％(4.9%)と、製造業の投資動向を反映する資本財部門が、2001年に記録された－9.8％に次ぐ大幅な落ち込みを見た。資本財部門は今年2月には11.7％のプラス成長を見ており、僅か1ヶ月間に際だった落差が生じた。この点に関してアナリストらは、「比較の対象になる昨年同月に20.3％の大幅な成長が記録されていたことが関係している」とし、4月には多少なり回復するものと予想している。
全国産業分類(national industrial classification)主要17業種中12業種がマイナス成長を記録、プラス成長を遂げたのは飲料／タバコ、化学品、運輸機器を含む5業種にとどまった。特に食品加工業は－35.8％の落ち込みを見た。
2008－09通年のIIP成長率は2.4％と、前年の8.5％に比べ大幅に鈍化した。部門別に見ると、製造業が2.3％(9%)、鉱業が2.3％(5.1%)、電力が2.8％(6.4%)と、揃って前年同期の伸び(括弧内の数字)を下回り、特に製造業の不振が目立つ。製造業の投資意欲を反映した資本財部門の伸び率も7％(18%)と、前年に比べ半減した。
首相経済諮問委員会(Prime Minister's economic advisory council)のSuresh Tendulkar委員長は「回復の速度は遅いが、経済は復調しつつある」、「国際金融市場は安定しつつあり、回復の兆しも見える」、「鉄鋼やセメント、その他の部門も回復しつつある」、「政府の景気刺激策の効果は追って現れる」とコメントした。
Goldman Sachsの最近の報告書も、「ABN Amroの製造業購買管理者指数(PMI=Purchasing Manager's Index)は、過去5ヶ月に及ぶ落ち込みを脱し、4月には3月の49.5から53.3に上向いた」とし、4月のIIPがプラス成長に転じると予想している。