SEAnews 2009-05-05 ArtNo.42185

【ニューデリー】国会下院総選挙の第三回投票が4月30日、9州2連邦直轄区の107小選挙区で行われ、1億4400万人以上の選挙民のほぼ50％が投票した。西ベンガル州におけるインド共産党毛沢東派武装組織naxalの投票所襲撃、マドヤプラデシュ／マハラシュトラ／ビハール等の数州における対立グループの衝突と警察官による発砲、投票ボイコット等の事件が発生したものの、死者は出なかった。
ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、デカン・ヘラルドが5月1日伝えたところによると、国民会議派のSonia Gandhi総裁、野党インド人民党(BJP)の首相候補LK Advani氏を含む1500人以上の候補が得票を競った。選挙委員会は、少数のマイナーな事件を除き投票は平穏に行われたとのコメントを発表した。
西ベンガル州Purulia県ではナクサルが投票所付近に仕掛けた地雷で国境警備隊(BSF:Border Security Force)員1人が負傷。ビハール州Katihar県Mongraでは投票所付近で対立候補の支持者らが互いに投石し、警官隊が空に向けて銃を発射、争乱の鎮静を図ったが、この間に警官3人が負傷した。ビハール州内の別の2カ所でも同様の衝突事件が生じた。西ベンガル州の93の投票所とビハール州の32の投票所で、投票ボイコットが行われた。
ジャム＆カシミール州では全党自由会議(APHC:All Parties Hurriyat Conference)が投票ボイコットとゼネラル・ストライキを宣言する中で、有権者の約25％が投票権を行使、1999年と2004年の総選挙における各14.32％と15.40％の投票率を上回った。州議会選挙も同時に行われたシッキム州における投票率は65％に達した。その他の州と直轄地における投票率は、ウッタルプラデシュ州45％、マドヤプラデシュ州44－45％、カルナタカ州57％、マハラシュトラ州43－45％、グジャラート州49－50％、ダマン＆ディウ直轄地60％、ダドラ＆ナガルハヴェリ直轄地60％、ビハール州48％、西ベンガル州64％となっている。
第1回投票日の平均投票率が60％、第2回投票日のそれが55％、そして第3回投票日が50％と、下降線を辿った背景には猛暑が関係しているものと見られるが、選挙管理委員会のBalakrishnan氏は、天候は制御不能だが、熱波に抗して高い投票率を実現するためあらゆる手を尽くしていると語った。
インド・ライオン保護区に指定されたグジャラート州Girの森林地帯ではたった1人の有権者のために投票用機械と担当者が派遣された。シバ寺院の住職Guru Bharatdasji Darshandasji Maharaj氏(58)が午前10時30分に投票を済ませた後も、選挙管理委員は規定に従い午後5時の投票時間終了まで、その場にとどまり、challenge vote(違反投票)等の不測の事態に備えた。