【ムンバイ】中央銀行Reserve Bank of India(RBI)は20日、短期貸出金利(repo)と同借入金利(reverse repo)を、それぞれ4.75%と3.25%に、各25ベイシスポイント引き下げた。
エコノミック・タイムズ、インディアン・エクスプレス、ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルドが4月21/22日報じたところによると、RBIはこの日、2009-10年度通貨政策を発表するとともに、以上の措置を明らかにした。しかし支払準備比率(CRR:Cash Reserve Ratio)は5%に据え置いた。これにより市中銀行も一般消費者向け小口融資や産業界向け大口融資の金利を一層引き下げるものと予想される。
中央銀行は今会計年度の国内総生産(GDP)成長率を6%と見通した。これは2008-09年の6.5-6.7%の成長見通しを下回る。D Subbarao総裁は、「世界的な需要の減退、取り分け貿易の縮小が予想される中で、今後も成長の加速は期待できず、民間の投資意欲は引き続き低レベルにとどまるだろう」とコメントしている。中央銀行はまた、インフレ率が中期的に3%前後、2010年3月末まで4%のレベルを推移すると予想している。今年第1四半期の通貨政策見直し報告は7月28日に発表される。
Oriental Bank of CommerceのS C Sinha常務取締役(ED)は「中央銀行の通貨政策のスタンスは、今後金利が一層軟化することを示しており、銀行界は、それぞれの資産/負債状況を配慮して貸出/預金金利を下方修正することになる」とする一方、「直ちにそうするかも知れず、一定の時間を要する可能性もある」と付言した。
一部のエコノミストらは中央銀行の発表に先立って、「インフレが今月末までにマイナスに転じる可能性が予想される中、中央銀行が逆レポを引き下げるか否かは最早問題ではなく、問題はどれほど下げるかだ」と語っていた。インド政府はレポおよび逆レポが100ベイシスポイント引き下げられることを望んでいたものと見られる。Manmohan Singh首相は最近「豊富な流動性と低インフレ率は、金利を一層引き下げる余地を提供している」と述べ、RBIに暗に金利の一層の引き下げを指示していた。首相経済諮問委員会のSuresh Tendulkar委員長も「貸出/預金比率は持続的に下降しており、銀行界がビジネスを続けるつもりなら今すぐ貸出を開始せねばならない」と指摘していた。
エコノミストらによれば、銀行が貸し出しを拡大するには逆レポを一層引き下げる必要があるが、Fitch Ratings India Pvt LtdのDevendra K. Pant取締役は、「逆レポは目下3.5%の貯蓄銀行預金金利(savings bank deposit rate)にリンクしており、その引き下げは難しい。ある種の微調整はあっても、大幅な変更は望めない」と語っていた。