【ムンバイ】インド経済監視センター(CMIE:Centre for Monitoring Indian Economy)によると、①建設業の繁忙期を通じた政府資金によるインフラ開発工事、②自動車産業に生じた復調の兆し、③2008年7月のピーク時に比べ40~45%下降した鋼材価格等の有利な状況が鉄鋼需要を刺激、国内鉄鋼産業は回復しつつあり、こうした回復基調は新財政年度一杯持続する見通しだ。
ビジネス・スタンダードが4月16日報じたところによると、CMIEは、インド経済に関する月間報告書の中で以上のように見通している。
それによると、鉄鋼価格は4ヶ月間にわたって急降下した後、3月に入って2~3%回復したが、同値上がりには需要の復調が反映されている。こうした需要の改善は2009-10年を通じて維持されるものと見られる。
しかし鉄鋼価格が顕著に上昇することはない。熱間圧延コイルは3月に平均1.8%、冷間圧延コイルと亜鉛メッキ鋼は各2%前後、値上がりした。インプット・コストの大幅な下降と低水準な国際鉄鋼価格から、国内鋼材価格は2009-10年を通じて軟調を維持するものと見られる。
インフラ部門や建設部門で使用される条鋼に対する健全な需要から国内鉄鋼生産は増加に転じるものと予想される。低金利と不動産価格の下降から、2009-10年下半期には徐々に住宅の建設活動が活発化し、条鋼の新たな需要が生じる見通しだ。
今会計年度を通じて480万トンの生産能力が追加されるため、鉄鋼完成品の国内年間生産能力は7000万トン前後に拡大する。このため鉄鋼完成品の成長率は2008-09年の1.5%から2009-10年には6.5%に加速する見通しと言う。