1995-12-07 ArtNo.4213
◆<星>電子メディアと新聞は共存可能:アジア新聞出版人大会
【シンガポール】インターネットを介した電子メディアの普及が新聞出版業界に如何なる影響を及ぼすかが、このほどサンテク・シティで催された“エーシアン・ニュースペーパー・パブリッシャーズ・エクスポジション”のホットなテーマとなったが、新聞が簡単に死滅することはないとの点で意見の一致を見たようだ。
国際新聞発行者協会(FIEJ)のTimothy Balding理事長(DG)は「進行中の技術革命が印刷媒体に如何なる影響を及ぼすかは依然として不透明だが、プリント・ジャーナリズムが電子メディアの普及で滅びると考える者はない」と強調した。シンガポール・プレス・ホールディングズのチョン・イップセン英語・マレー語ニュース担当編集長は「インターネットを通じてシンガポールの新聞業界は高額の印刷・出版コストをかけずに外国の読者を獲得できるようになった」とし、「新聞業の将来は電子新聞を、テレビやラジオ同様に簡便なマスメディアとすることができるか否かに掛かっている」と語った。同氏は印刷媒体と電子媒体は必ずしも競合するものではなく、共存も可能としている。これに対してメディア・コンサルタントのロジャー・フィルダー氏はインターネットの影響は誇張されており、この種の興奮は2~3年で冷却、その際はブランド・ネームのない電子新聞に対する関心も薄れるだろうと指摘した。(BT,LZ:12/6)
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