2009-04-08 ArtNo.42122
◆Nalco第二アルミ・コンプレックスの前途に陰影
【ブーバネスワル】オリッサ州政府はNational Aluminium Company (Nalco)に対し、アルミニウム製錬施設とキャプティブ発電施設から成る総額1万6345クロー(US$31.68億)の第2アルミ・コンプレックスの建設地を同州西部Jharsuguda県から同州南部Gopalpur県に移すよう求めた。
ビジネス・スタンダードが4月6日伝えたところによると、NALCOのC.R Pradhan会長兼MDは、Gopalpurは年産50万トンのアルミニウム製錬施設と1260MW(メガワット)の発電施設の建設地には適さないと指摘した。それによると、IB valleyの炭鉱地帯に隣接したJharsugudaでは、大部分の土地が政府所有地と農業に適さぬ荒れ地のため、土地紛争が生じる恐れが少なく、主要原料の石炭の輸送コストもかからない。加えて同州Koraput県Damanjodiのアルミナ精錬所から原料のアルミナを輸送する際の鉄道の便が良い。それに引き替えGopalpurは、石炭の輸送コストが嵩み、Damanjodiのアルミナ精錬所との鉄道の便が悪いと言う。
消息筋によると、オリッサ州政府がNalcoにプロジェクトの移転を求めた理由としては、Jharsugudaには大規模プロジェクト、取り分け鉄鋼/電力/アルミニウム関連プロジェクトが密集し、飽和状態を呈していることが挙げられる。実際のところ、州公害防止局(State Pollution Control Board)は最近、マハラシュトラ州Nagpur拠点の全国環境工学研究所(NEERI:National Environment Engineering Research Institute)とデリー拠点のTata Energy Research Institute (TERI)に、Sambalpur-Jharsuguda工業地帯の環境収容能力(carrying capacity)調査を委託した。両社は、大気、水、土壌等の現在と将来にわたる汚染度を測定し、同地域に収容可能な産業施設の量や密集度に関する報告書を作成するものと見られる。調査には季節ごとのデータの収集が必要なことから、報告書が完成するには1年以上を要する見通しだ。調査の結果、州政府がどうしてもプロジェクトをGopalpurに移すよう求めるなら、Nalcoの第二アルミニウム・コンプレックス計画が棚上げされる可能性もあると言う。
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