【ニューデリー】インフラ中核産業6業種の今年2月の成長率は、主に石油精製品と鉄鋼製品の需要が拡大したことから、2.2%と、前月の見直し後の1.5%(上方修正)の成長を多少上回り、僅かながら復調の兆しを見せた。
ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズ、ザ・ヒンドゥーが2月27/28日、商工省の発表を引用し報じたところによると、2月の成長率は過去4ヶ月来の最高をマークしたが、昨年同月の7%を大きく下回った。個別に見ると原油-6.2%(2.3%)、石油精製0.5%(5.8%)、石炭6%(11.6%)、電力3%(9.8%)、セメント8.3%(12.8%)、炭素鋼完成品3.6%(2.3%)と、鉄鋼部門を除いて、何れも昨年同期の伸び(括弧内の数字)を下回った。
Ernst & YoungパートナーのNaveen Vohra氏によると、インドの鉄鋼産業は世界的な景気後退の影響から有る程度隔離されている。政府の様々な景気刺激策も有って、鉄鋼需要は回復しており、そのことは最近の生産増加からも窺えると言う。
1月に2.6%のマイナス成長を記録していた石油精製もプラスに転じ、復調の兆しが生じた。Indian Oil Corp幹部によると、その実、石油製品の消費は2009年1月以来増加に転じている。ディーゼル油の消費は発電部門の需要減から落ち込んでいたと言う。
信用格付け会社Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストは、「唯一マイナス成長を記録した原油生産の他、電力生産も不振だが、鉄鋼/セメント/石炭/石油精製のパフォーマンスは予想を上回った。鉄鋼やセメントの成長には、政府の景気刺激策や公共支出の増加に伴う需要の拡大が反映されている」と指摘した。
インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industry)主催のセミナーの席上、KM Chandrasekhar内閣官房長官は、「財政刺激パッケージはインフラストラクチャー部門にポジティブな影響を与えており、今年通年の支出は全体として大幅に改善した」と語った。