【コルカタ】インドの1月の鉄鉱石輸出は1390万トンを記録、2008年1月の1150万トンに比べ21.53%増加した。
エコノミック・タイムズが3月18日伝えたところによると、このほど発表されたMinerals and Metals Trading Corp(MMTC)/Goa Mineral Ore Exporters Association(GMOEA)/Kudremukh Iron Ore Co(KIOC)の共同調査レポートは以上の数字を掲げている。政府が課した5%の輸出税がルピーの対米ドル・レート軟化により相殺され、中国の鉄鋼メーカーが2008年10月に削減した生産水準を徐々に元に戻しつつあることが、2008年12月以来の輸出の拡大につながったものと見られる。とは言え市場筋は、こうした増勢は一時的なもので、3月にも増勢が維持されることはないと見ている。
デリー拠点のアナリストによると、過去2ヶ月の鉄鋼需要は世界的に僅かに拡大した。需要減退で操業を停止していた一部の中国の製鉄所が生産を拡大、このことが鉄鉱石の需要増につながった。中国における鉄鉱石のトン当たりスポット価格は2008年11-12月の65米ドルから2009年2月の85米ドルに上昇した。
しかし、鉄鋼/資源コンサルタントのAS Firoz氏は、「中国の鉄鋼メーカーが、大量の鉄鉱石ストックを保持していることから、中国における鉄鉱石需要はここ暫く低調に推移する」と予想する。インド鉱業連盟(FIMI:Federation of Indian Mining Industry)のRahul Baldota会頭も「中国の鉄鉱石需要は少なくとも向こう数ヶ月は顕著に増加することはない。2月末に下降に転じた鉄鉱石輸出は3月も継続して下降するだろう」と見通した。
4月1日以降に引き渡される鉄鉱石の年間契約価格協議では日本と中国のバイヤーによる激しいバーゲン攻勢が予想され、最大40%の値下げが求められる見通しだ。ムンバイ拠点の一次鉄鋼メーカーは、「仮により低い価格で交渉が妥結するなら、それが国際的なベンチマークになり、インド最大の鉄鉱石生産輸出業者National Mineral Development Corporation (NMDC)も同様の値下げを強いられる」と見通した。インドではトン当たり長期契約価格は目下90米ドル、スポット価格は73米ドル前後となっている。しかしNMDCオフィシャルは「ルピー相場が下降していることもあり、値下げ圧力には可能な限り抵抗する」とコメントした。