2009-03-20 ArtNo.42047
◆ONGC、Dahej石化事業巡り伊藤忠等と提携協議
【ニューデリー】国営Oil and Natural Gas Corporation Ltd(ONGC)は目下、伊藤忠商事を含む世界の主要化学企業および化学品商社と、グジャラート州Dahejに1万2440クロー(US$24.11億)を投じて石油化学プラントを建設する計画の戦略提携交渉を進めている。
インディアン・エクスプレスが3月17日伝えたところによると、プロジェクトの推進母体を務めるONGC Petro-additions Ltd(OPaL)のP K Johri重役(CEO)は同紙に以上の消息を語った。それによると、OPaLは同プロジェクトに25%出資する技術パートナーもしくはマーケッティング・パートナーを求めている。第1ラウンドの交渉には7~8社が参加したが、第2ラウンドの交渉には、伊藤忠商事と英国企業2社、IneosとLyondell Baselのみが参加した。Ineosは売上高で世界3位の化学会社に数えられる。交渉は2009年12月末までに妥結する見通しだ。
OPaLはプロピレンやベンゼン等の製品を輸出することを目指しており、中国、パキスタン/スリランカ/バングラデシュを含むインド亜大陸、ベトナム、フィリピン、マレーシア、一部のアフリカ諸国、 Cスラエルをターゲット市場と見なしている。
2011年12月までの完成が目指される石油化学コンプレックスの借入/自己資本比率は2.55:1。OPaLにはONGCが26%、戦略パートナーが25%、Gas Authority of India Ltd(GAIL)が19%、Gujarat State Petroleum Corp(GSPC)が5%を出資、残りの25%のシェアは2011年12月までに公開公募(IPO)される。その時までに景気が回復し、株式市場が安定するのが条件になる。SBI Capital Markets(SBI Caps)がリード・マネージャーを務め、9000クロー(US$17.44億)の借款交渉も進められており、今月末までの合意が目指されている。
OPaLは、輸入液化天然ガス(LNG)から抽出したエタン(C2)とプロパン(C3)を原料にポリマーを製造する。C2/C3抽出施設のコストは1100クロー(US$2.13億)と見積もられる。C2/C3抽出施設は今会計年度末に、石化コンプレックスは2012年2月までに、それぞれ完成する。原料のLNGはPetronetがカタールから輸入する。石油化学コンプレックスが完成するまでの間、抽出したC2/C3はReliance Industries Ltd(RIL)傘下のIndian Petrochemical Corporation (IPCL)等に供給し、場合によっては輸出する。
国際的規模のクラッカーと下流部門ポリマー・プラントから成る石油化学コンプレックスは、DahejプラントからC2/C3の供給を受ける他、ONGCのグジャラート州Haziraとマハラシュトラ州Uranの工場からナフサの供給を受ける。
OPaLプラントはグジャラート州に設けられる新石油化学コンプレックスの一部を成す。同コンプレックスは年間110万トンのエチレン、同34万トンのプロピレン、同13万5000トンのベンゼン、同9万5000トンのブタジエンを製造する能力を備える。
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