【ニューデリー】今会計年度第3四半期(2008/10-12)の国内総生産(GDP)成長率は、一部サービス部門の好調に関わらず、製造部門と農業部門がマイナス成長に陥ったことから、過去5年来最低の5.3%にとどまった。
インディアン・エクスプレス、ビジネス・スタンダード、エコノミック・タイムズ、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルド、デイリー・ニュース・アンド・アナリシスが2月27/28日、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)の発表を引用し報じたところによると、前年同期には8.9%の成長が記録されていた。第3四半期GDP成長率の部門別内訳を見ると、製造業-0.2%(8.6%)、農業-2.2%(6.9%)、鉱業/採石5.3%(4.3%)、サービス全体9.9%(10.2%)、電気/水/ガス供給3.3%(3.8%)、共同体/社会/個人サービス17.3%(5.5%)、金融/保険/不動産・ビジネス・サービス9.5%(11.9%)、貿易/ホテル/運輸/通信サービス6.8%(11.6%)、不動産/建設6.7%(9%)と、全体としてのサービス業の成長は前年同期の伸び(括弧内の数字)に及ばなかったものの、世界的な景気後退にも関わらず概して好調だった。取り分け共同体/社会/個人サービスの急成長が目立つが、これには政府公務員給与の引き上げも影響している。
一般家庭消費の指標とされる民間最終消費支出(Private final consumption expenditure)の伸びは名目10.7%(8.7%)、実質10%(8.4%)と堅調で、製造業者の土地/工場/機械等の固定資産投資を示す総固定資本形成(GFCF:gross fixed capital formation)の伸びも名目33.4%(33%)、実質31%(30.8%)と、前年同期の伸び(括弧内の数字)を上回った。
シンクタンクResearch and Information SystemのNagesh Kumar重役(DG)によると、農業部門の不振には、比較の対象とされた前年同期に6.9%の急成長が記録されていたことも影響している。
統計&プログラム実施省(Ministry of Statistics & Programme Implementation)のPronab Sen次官は、「農業部門の不振は予想外だったが、今後復調する望みはある」と語った。
この結果年初9ヶ月(2008/4-12)のGDP成長率は6.9%と、前年同期の9%から顕著に鈍化した B
P K Bansal財務担当国務相は「第4四半期が残されており、政府としては今年通年の予想成長率を7.1%に維持する」と語ったが、Sen次官は、7%台の成長を実現することが極めて困難になったことを認めた。信用格付け会社Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストも、政府の景気刺激パッケージは向こう8~9ヶ月間に徐々にその効果を発揮するものの、第4四半期の大幅な復調により、通年で7%以上の成長が実現されることを期待するのは無理と指摘した。