SEAnews 2009-02-04 ArtNo.41906

【ムンバイ】ボンベイ高裁は1月30日、係争中の訴訟に判決が下るまでの暫定措置として、Mukesh Ambani氏旗下のReliance Industries Ltd(RIL)がKrishna-Godavari(KG)海盆で採取した天然ガスを政府との間で決めた1mmbtu(million metric British thermal unit)当たり4.20米ドルの価格で第3者に販売することを認めた。
インディアン・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥー、エコノミック・タイムズが1月31日伝えたところによると、最終判決は3月半ばに下される予定。しかしながら高裁はRILに対し肥料／電力部門を初めとする政府により定められた優先顧客にのみ販売するよう求めている。
RILは、Mukesh氏の弟Anil Ambani氏に率いられるReliance Natural Resources Ltd (RNRL)および国営National Thermal Power Corporation (NTPC)と、KG海盆ガスの供給量と価格を巡り法廷で争っている。NTPCはRILと結んだ契約に基づき1mmbtu当たり2.34米ドルの価格でガスの供給を受ける権利があると主張、RNRLはReliance Groupが両兄弟により分割相続される以前の取り決めに基づきKG海盆ガスのより大きな部分を、より低価格で購入する権利があると主張している。
RNRLとNTPCが関係訴訟を起こした後、裁判所は2007年5月にRILがKG海盆D6鉱区で採取したガスを第3者に販売するとことを暫時禁止する裁定を下した。これに対してインド政府は2008年9月、国内の電力部門と肥料部門が直面する深刻なガス不足を配慮し、KGガスの販売禁止措置を解除するよう法廷に申請した。これを受けて高裁のKK Tated／JN Patel両判事はこのほど同禁止措置を暫定的に解除した。
業界観測筋は、2月末にKG海盆ガスの生産が本格化し、生産量が30－40mmcmd(million metric cubic metres a day)に達するなら、RILの収入は大幅に拡大すると予想している。Angel Brokingのアナリストによると、KG海盆鉱区の当初45日間の生産量は15－20mmcmdだった。RILは2月半ばから生産を本格化する計画だったため、今回の判決は正に絶好のタイミングと言う。この日ボンベイ証券取引所におけるRILの株価終値は1325.20ルピーに4.5％アップ、RNRLのそれは51.35ルピーに4.58％アップした。