【ニューデリー】ロシアはインドとの交渉過程で30%のディスカウントを提案、1基当たり20億米ドルで核反応炉の売り込みを図っている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが12月10日政府筋の言として伝えたところによると、ロシアはまた核燃料会社TVEL Corporationを通じ、ロシア製核反応炉のみならずインド国内の既存の重水炉にも核燃料を供給することを申し出た。これにはマハラシュトラ州Tarapurの原子力発電所が含まれる。これに対してインドは原子力発電領域におけるロシアの役割拡大を約束した。
現在2基の核反応炉を建設中のタミールナド州Tirunelveli県Koodankulamにおける原子力発電プロジェクトに新たに4基の反応炉を増設する契約が調印されたが、同じ場所に第7反応炉と第8反応炉を設ける交渉も目下進められている。
ロシアはKoodankulam以外に少なくとももう1カ所、ロシア製反応炉を採用した原子力発電所を設けるよう求めている。
核反応炉1基20億米ドルの低価格に加え、ロシアは、複数の反応炉をセットにして一層の安値で製造することも提案している。大部分の設備やコンポーネントをインド国内で製造し、コストの引き下を図る。現在の為替レートからすれば、ロシア製核反応炉の1MW(メガワット)当たりのコストはおよそ7クロー(US$140万)と言うことになる。
目下、Koodankulamに建設中の『VVER-1000』反応炉2基の総建設コストは26億米ドルと見積もられ、1MW当たり6.5クロー(US$130万)になる。ロシア政府は同第1期計画のコストの半ばをカバーする長期融資も引き受けている。プロジェクトが完成すれば、原子力発電公社Nuclear Power Corporation of India Ltd(NPCIL)は1ユニット(1kw/時)当たり2.50ルピー以下で電力を供給できる見通しだ。
ロシアとインドは12月5日、Koodankulamに4基の核反応炉を増設する政府間契約を結んだ。TVELを通じて核燃料を供給する7億米ドルの契約も同時に調印された。これにはTarapur発電所に対する二酸化ウラン・ペレットの供給や、複数の既存加圧重水炉(PHWR:pressurised heavy water reactor)に対する核燃料の供給が含まれる。