【バンガロール】Dish TVやTata Sky等の主要衛星放送(DTH:direct-to-home)会社がチャンネルの増設を計画する中、Indian Space Research Organsiation (Isro)は、トランスポンダーのキャパシティーを拡張する方針を決めた。
インディアン・エクスプレスが12月5日報じたところによると、Isroの商業部門として国内企業向けに内外の宇宙関連サービスを専門に提供する政府公認機関Antrix CorporationのKR Sridhar Murthy重役(MD)は、ISO主催の『Word Space Biz 2008』と題する国際会議の会場で同紙に以上の消息を語った。
それによると、Isroは近くトランスポンダーのキャパシティーを2倍に拡大する。インドが保持する通信衛星には、合計211基のトランスポンダーが装備されており、内100基がDTHサービス業者にリースされている。トランスポンダーは、DTHサービスの他、遠隔医療や通信教育等のサービスに利用されている。Antrixは今後5年間にトランスポンダー300基を追加する計画で、これらもDTHを含む様々な目的に利用される。Antrixの売上げの50～60％はトランスポンダー・サービスで占められている。
現在インド国内には合計400のDTHチャンネルが存在し、3～5年で2倍に拡大する見通しだ。
インド第2のDTHサービス会社Tata SkyのVikram Kausik重役(MD/CEO)によると、同社は、INSAT 4Aの12 Ku-Bandトランスポンダー全てを借り受け、167のDTHチャンネルを設けている。契約者の数は300万人で、数週間内に200チャンネルに拡張する計画だ。インドでは新チャンネルの需要が急増しており、取り分け地方市場の成長が著しい。各地方にプレゼンスを築くためより多くのチャンネルが必要とされる。このため同社は2～3年内に1000チャンネルを設けることを目指し、サテライト・プロバイダーや専門家と関係交渉を進めていると言う。
インド最大のDTHプロバイダー、Dish TVも野心的拡張計画を立てている。親会社Zee NetworkのAmitabh Kumar取締役によると、Dish TVは外国の通信衛星NSS-6のKu-Bandトランスポンダー11基を用い、200チャンネルを経営しているが、2009年までにトランスポンダー10基を追加し、チャンネル数も400チャンネルに拡張することを目指している。Antrixにトランスポンダー10基の追加リースを申請しており、これらのトランスポンダーは、高精細度チャンネルやムービー・オン・デマンド等、DTH以外のサービスにも利用する。同拡張計画には100クロー(US$2000万)を投資する。
Sun Direct、Reliance Big TV、Airtel等のDTHプレーヤーもAntrixと、トランスポンダーの追加リース交渉を進めていると言う。