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2008-12-03 ArtNo.41719
◆ムンバイ同時テロ計画概要
【ムンバイ】ザ・ヒンドゥーは12月2日、テロ実行犯の中で唯一生け捕られたMohammad Ajmal Amir Iman(当初誤ってAjmal Amir Kamaal、Kasav等と報じられた)の供述に基づき襲撃計画の概要を伝えた。
 それによると、襲撃計画の準備は2008年9月15日にスタート、イマンは10人のメンバーの一員としてパキスタン領内のカシミール及びパンジャブの施設で1ヶ月にわたり戦闘及び航海技術の訓練を受けた。
 パキスタンに拠点を置くイスラム過激派組織ラシュカレトイバ(Lashkar-e-Toiba)のZaki-ur-Rahman Lakhvi司令官は、グループに南部ムンバイの詳細な地図や攻撃目標のフィルムを示し、イマンとそのパートナーAbu Umar(イマンが記憶している偽名、実際はMohammad Ismail)は鉄道駅Chhatrapati Shivaji Terminus(CST)の攻撃を指示された。グループは当初9月27日にムンバイに向かうはずだったが、延期され、最終的に11月22日にLakhvi司令官の出撃命令が出た。
 11月23日午前4時15分、イマンとイスマイルは、他の4グループと共に海にこぎ出した。これら4グループとは①Abu Akasha/Abu Umar、② Bada Abdul Rehman/Abu Ali、③Chhota Abdul Rehman/Afadullah、④Shoaib/Umar(何れもイマンが記憶しているメンバーの氏名)。
 メンバーは何れもカラチュニコフ・ライフル/弾薬200発/手榴弾の他、ガーミン社製全地球測位システム(GPS:Global Positioning Systems)と携帯電話端末(何れもコルカタとニューデリーで販売されたものであることが既に確認されている)を装備、メンバー中3人は時限爆弾装置5セットも携帯した。
 インド近海で漁船を拿捕したグループは、ムンバイ付近でゴムボートに乗り替えBudhwar Parkにこぎ着けた。上陸後はタクシーに分乗し、それぞれの攻撃目標に向かった。
 計画通りCSTに到着したイマンとイスマイルは、通行人に向かって銃を乱射、付近にいた警官と銃撃戦になり、手榴弾も使用した。イスマイルは射殺され、イマンは負傷し捕縛された。
 グループがタクシーに仕掛けた2つの時限装置はその後爆発した。イマンによれば、計画を実行中もラシュカレの司令部は携帯電話でグループに指示し続けたと言う。
 一方、エコノミック・タイムズが11月29日伝えたところでは、香港のPolitical and Economic Risk Consultancy Ltd(PERC)は、今後アジアの14カ国(パキスタンとアフガンを除外)の中でインドのリスクが最も高まると予想している。それによると、インドにおける2004年から2008年9月までのテロ攻撃に伴う死者の数は、イラクに次いで2番目にランクされる。近く予定される総選挙や、地域内暴力(communal violence)さらにはテロ攻撃の増加で2009年のリスクはさらに高まるとPERCは予想している。エコノミック・タイムズは「多国籍企業は今回の事件を契機にムンバイおよびインドの地政学的リスクに再検討を加えるものと見られる」とコメントしている。
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