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2008-12-03 ArtNo.41717
◆UPA政権に激震、首相8ポスト兼務
【ニューデリー】ムンバイ襲撃事件の責任をとって辞職したShivraj Patil内相の後任にP Chidambaram蔵相が横滑りすることになったため、既に情報放送省/原子力部/宇宙部/石炭産業省/環境森林省/計画委員会/人事部のトップ兼ねるManmohan Singh首相が大蔵大臣のポストも引き受けることになった。消息筋によれば内相の辞任はスタートに過ぎず、近く行われる下院総選挙において国民会議派が今回の襲撃事件から受ける打撃を最小限に止めるため、さらに何人かが詰め腹を切らされるものと予想される。
インディアン・エクスプレスが12月1日報じたところによると、内相の辞職は先週土曜に急遽開かれた国民会議派運営委員会(CWC:Congress working committee)において決定された。席上、Sonia Gandhi総裁は「テロリストの鎮圧は終わった。今必要なことは政治的責任を明確にする強力なメッセージを発することである」と会議の主旨を説明した。これを受けて発言した子息のRahul Gandhi氏は「パキスタンは我々を平手打ちした。我々はこれに応えねばならない」と、隣国を名指しで非難した。
会議に出席した40人余りのメンバーは、総選挙で大敗北を回避するには、パティル内相の辞任は避けられないとの点で意見の一致を見た。パティル氏は、同氏の指揮の下、内務省が全国民主連盟(NDA:National Democratic Alliance)前政権時代を遙かに上回る多くの実績を上げたことを列挙し、辞職回避を図ったが、受け入れられないと悟ると、その場でメモ用紙に辞表を殴り書きし、シン首相に手渡そうとした。しかし首相が受け取らなかったため、翌日早朝正式に辞表を提出した。
会議ではAK Antony国防相に対しても辞職を求める意見が提起されたが、弁護に回るものもあり、同相はそのポストを保った。
襲撃事件の背後関係とパキスタンの役割、そしてパキスタンが統合情報部(ISI:Inter-sevice Intelligence)のShuja Pasha長官の派遣を拒んだ問題を討議した際には、Pranab Mukherjee外相の責任も追及された。これに対してMukherjee外相は、同相とパキスタン側との交渉内容のコピーを読み上げ、ISI長官派遣の約束を反故にした責任を同相に帰すのは、パキスタンの策略に過ぎないと反論し、何とか切り抜けた。
今後さらに、MK Narayanan国家保安顧問やマハラシュトラ州のVilasrao Deshmukh首席大臣に対する辞任要求も高まりそうだ。
金融危機の最中に異動することになったChidambaram氏に代わって蔵相を務めるものの責任は重い。このためCWC会議ではC Rangarajan前中央銀行総裁や計画委員会(Planning Commission)のMontek Singh Ahluwalia副委員長らの名が提起された。しかし閣内の最重要ポストに関しては国民会議派以外のUPAメンバーから反対の声が上がるのが目に見えており、また同ポストはどうしても国民会議はの手にとどめておく必要があったことから、結局、シン首相が兼務することになった。
Chidambaram氏を新内相にする最終方針は、CWC会議後に催された特別中核委員会(ECC:Exclusive Core Committee)の席で決まった。Chidambaram氏がECC会議に出席したのは今回初めてのことで、同氏はムンバイ襲撃事件に関するCWC決議の草稿も準備したと言う。
野党インド人民党(BJP)のRajnath Singh総裁は、パティル内相の辞職は『too little, too late』と述べ、UPA政権そのものが総辞職すべきだと、政府の対応を非難した。またYashwant Sinha元蔵相は、「蔵相ポストは首相が兼務するには余りに大きく、重要過ぎる」と指摘した。
一方、シン首相は30日、空と海の安全を強化するため『連邦調査局(FIA:Federal Investigation Agency)』を設置するとともに、将来のテロリストの攻撃に、迅速、有効に対処するため国内の4カ所に国家保安隊(NSG:National Security Guard)ハブを設ける政府方針を発表した。
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