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2008-12-01 ArtNo.41705
◆ムンバイ襲撃事件の経済に及ぼす影響は
【ニューデリー】インドの経済力のシンボル、金融システムの中枢とされる商都ムンバイで26日夜発生した襲撃事件を、専門家は2001年9月11日に米国で発生した所謂9.11事件に次ぐ大規模なテロ攻撃と評しているが、Kamal Nath商工相は27日、既に金融危機に伴う閉塞感が漂うインド経済に対する影響に触れ、投資の流入を減速させる恐れはないとの見通しを示した。
インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズ、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥー、デカン・ヘラルドが11月27/28/29日伝えたところによると、今会計年度の外国直接投資(FDI)の流入額は8月までに146億4000万米ドルをマーク、前年同期比124%増加しており、商工省オフィシャルも攻撃事件がFDIの流入に及ぼす影響を否定した。とは言え、同オフィシャルは仮に港湾や製油所等の重要設備が攻撃を受けるなら、影響は回避できないと付言した。
首相経済諮問委員会(Prime Minister's Economic Advisory Council)のSaumitra Chaudhuri委員は「国内経済は過去2ヶ月金融危機の打撃を被っており、ビジネスや消費者の自信がこうしたショックに耐える能力は低下している」としながらも、「ムンバイ襲撃事件が投資家の方針に及ぼす影響は、既にその種のリスクは織り込み済みのため小さい」と語った。
しかし匿名の別の筋は、襲撃事件はビジネス情緒にマイナス効果を及ぼし、今後こうしたリスクは一層高まるとコメントしている。ボンベイ証券取引所(BSE)は27日、終日取引を停止したが、BSEの取引停止は過去20年来2度目のこと。
マハラシュトラ州政府は事件発生から24時間を経過した後も、一体何人が攻撃に加わり、どんな組織に属しているのか、どれほど多くの場所が攻撃され、犠牲者がどれほど出たのか、また短時間にどうして市の心臓部深く浸透することができたのかと言った点に関してほとんど把握しておらず、Vilasrao Deshmukh首席大臣は目下調査中とだけ語るにとどまった。
治安問題を担当する内務省のM L Kumawat特別次官によると、AK-47ライフル、マシンガン、手榴弾等で武装したグループは、海上経由で、タージマハール・ホテルに近いサスーン・ドックから上陸したものと見られ、26日午後9時21分に先ずLeopold Cafeに攻撃をしかけた。その後翌27日の午前0時32分までにOberoi Trident hotel/Jewish Centre/Taj hotel/Times of India building/Bombay Municipal Corporation building/KAMA hospital/GT hospital/SBI銀行支店/CST鉄道駅等を次々に攻撃した。
捕縛された襲撃犯の1人で、パキスタンに拠点を置くイスラム過激派組織ラシュカレトイバ(Lashkar-e-Toiba)のメンバー、Ajmal Amir Kamalと称する男によると、パキスタンのカラチを商船で出港した12人の襲撃犯は、インド海軍や沿岸警備艇の目を眩ますためグジャラート州Porbandar籍の漁船Kuberをハイジャックした。グループは同漁船でムンバイ東部海岸のSassoonドックに接岸したが、グループの一部はファイバーグラス製救命ボートでさらに西に向かいCuffe Paradeの漁村にこぎ着けた。漁船のグループは、襲撃に先立って船長を殺害したとされるが、他の5人の漁船乗組員の安否は不明。
インドではここ数年一連の爆破事件が発生しており、多くはイスラム武装組織によるものだが、一部の事件にはヒンドゥー過激派や極左グループも関与している。
Deccan Mujahideenと称するほとんど未知の組織が、今回の事件への関与を認める声明を発表したが、Manmohan Singh首相は27日、今回の事件には国外の勢力が関与しているとし、インドは隣国を利用したテロ行為に対していささかも容赦しないと警告した。
一方、パキスタンのYousuf Raza Gilani首相はマンモハン・シン首相の要請に基づき統合情報部(ISI:Inter-sevice Intelligence)のShuja Pasha長官をインドに派遣、捜査に協力する意向を表明したが、Asif Ali Zardari大統領及びAshfaq Parvez Kayani陸軍参謀総長らと協議した後、Pasha長官の派遣を見合わせ、ISIのチームを派遣する方針を決めた。また、ニューデリーを訪問中のパキスタンのMakhdoom Shah Mahmood Qureshi外相は、パキスタン領内に、テロリストの訓練施設は存在しないと語った。
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