SEAnews 2008-11-17 ArtNo.41658

【ニューデリー】今年9月の工業生産指数(IIP)成長率は低調な4.8％にとどまり、昨年同月の7％を下回ったものの、過去10年来の最低を記録した前月(8月)の1.42％(当初発表された暫定数字は1.3%)に比べ復調した。
　インディアン・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、デカン・ヘラルドが11月12／13日、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)の発表を引用し報じたところによると、部門別成長率は製造業が4.8％(7.4%)、鉱業が5.7％(4.9%)、電力が4.4％(4.5%)と、鉱業の伸びが昨年同期の伸び率(括弧ないの数字)を多少上回ったものの、他の2部門は、昨年同期を下回り、特にIIPの80％の比重を占める製造業は顕著に鈍化した。
　今年上半期(2008/4-9)のIIP成長率も4.9％(9.5%)と、昨年同期に比べ顕著に減速、部門別に見ると、製造業5.2％(10%)、鉱業3.8％(4.9%)、電力2.5％(8%)と、3部門全て昨年同期の伸びを下回った。
　用途に基づく分類(use-based classification)によれば、9月に基本財部門の伸びは4.6％(6.5%)、資本財部門は18.8％(20.9%)、消費財部門は5.6％(-0.2%)、耐久消費財部門は13.1％(?)、非耐久消費財部門は2.8％(2.6%、)、中間財部門は－3.3％(10%)と、消費財部門に復調の兆しが見られるものの、中間財部門はマイナス成長に後退した。
　全国産業分類(national industrial classification)主要17業種中9業種が9月にプラス成長を記録した。飲料・タバコ及び関連製品部門が17％、運輸機器及び部品部門が16.8％、運輸機器を除く機械・設備部門16.1％、紙・紙製品・印刷部門8.3％と続く。しかし綿繊維部門は－9.3％、木材・木製品・家具・備品部門は－9.7％、皮革・皮革製品部門は－8.6％と振るわなかった。この他、ジュート／その他の植物繊維、衣料品を含む繊維、石油を除く基礎化学／化学品、ゴム、プラスチック、石油、石炭製品もマイナス成長を記録した。
　低調なIIP成長率の発表を受け、この日、ルピーの対米ドル相場は1996年2月5日以来最も大幅な2.4％ダウン、ボンベイ証券取引所(BSE)センシチブ指数(SENSEX)も前日に続き300ポイント以上の落ち込みを見た。エコノミストらは、工場の操業が短縮され、輸出が縮小する中で、10月のIIP成長率は一層鈍化するものと予想している。