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2008-11-03 ArtNo.41613
◆金属産業、値下げ/生産削減へ
【ムンバイ】流動性逼迫に伴う全般的な景気後退の影響は鉄鋼産業だけでなくアルミニウムや銅等の非鉄金属工業にも波及、これらの業界は値下げや生産削減を検討している。
エコノミック・タイムズが10月30日報じたところによると、今日の状況は、最悪の不況に直面した2000年当時を思わせ、JSW Steel、Essar Steel、Ispat Industries等の一次鉄鋼メーカーは、公式発表は行っていないものの生産合理化の可能性を検討している。米国や欧州における金融危機の影響は一層深刻なため、これらの企業の海外子会社は既に生産削減を行っており、インド国内においても10~20%の生産削減を検討している。幅広い鉄鋼製品を手がけるメーカーに比べ、商業等級(commercial grade)の製品を主に手がけるメーカーがより大きな影響を受けている。これは熱間圧延コイル等の基礎等級(base-grade)の製品が過去45日間にトン当たり350米ドルも値下がりしたため。しかしTata Steel等が製造している高付加価値製品の値下がり幅はそれほど大きくない。こうした値下がりには、金融危機の他、中国の需要減退が関わっている。
JSW SteelのM V S Seshagiri Rao財務部長によると、中国は、今年7月まで毎月4500万トンのスチールを製造して来た。これはインドの10ヶ月分の生産量に相当するが、需要減退から大幅な生産削減が行われ、今では月間4100万トンに減少、一層の落ち込みが予想されると言う。
国際レポートによると、厳しい生産コスト抑制で、中国企業の固定資産支出や金属消費が落ち込んでいる。インド鉄鋼業界筋によると、中国の大規模製鋼施設の減産で、熱間圧延コイルの生産は125万~130万トン減少する見通しだ。一部のメーカーはスラブ、鉄筋(rebar)、鋼線(wire)等の低付加価値製品の製造を停止している。
一方、インド国営National Mineral Development Corporation(NMDC)のRana Som会長によると、同社は鉄鉱石の新価格を間もなく設定する。近く予定される日本バイヤーとの交渉の後か、あるいはそれに先だって決める可能性もある。目下の長期契約価格はスポット価格を下回っているため、上方修正する可能性が大きいと言う。
非鉄金属部門の状況も大差はない。Vedanta Resourcesは10月28日、タミールナド州Tuticorinにおける電気銅陰極地金(copper cathode)の製造が14万9000トンに13.4%下降したと発表した。これは主に第1四半期に定期メンテナンスのため26日間操業を停止したのと、第2四半期の稼働状況に問題が生じたためだが、需要減退の影響が波及する恐れもあると言う。VedantaのTarun Jain財務部長は「確かに景気は後退している。金属を含む全ての資産評価が下方修正され、誰もが資金繰りの困難に直面している」と語った。
アルミニウムは先週大幅に値下がり、全世界のアルミ精錬業者が損失を被った。Macquarie Researchの最新報告によれば、向こう12-18ヶ月の世界需要の急減を見越して、ニッケルは-28.7%、銅は-28.5%、亜鉛は-18.6%、アルミニウムは-11.5%と、ほとんど基礎金属が先週値下がりした。
JSW SteelのRao氏によると、最近の工業生産指数の伸び率の大幅鈍化は、生産の落ち込みを反映している。政府は何らかの対応策を講じる必要がある。これは主に資金供給の逼迫に伴うものであり、この点の対策を先ず実行すべきだ。業界は運転資金や信用状の面で支援を必要としている。取引はほとんど停止状態に陥っており、これは産業界にとって極めて危険なことと言う。
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