2008-10-20 ArtNo.41550
◆中央銀行、支払準備率再引き下げ含む一連の措置発表
【ニューデリー】インド中央銀行Reserve Bank of India(RBI)は15日、支払準備率(CRR)を再度100ベイシス・ポイント引き下げて銀行体系に4万クロー(US$82.47億)を注入することを含む一連の措置を発表した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥーが10月16日伝えたところによると、この日ボンベイ証券取引所(BSE)センシチブ指数(SENSEX)が674ポイント下降する中、P Chidambaram蔵相は金融システムの各種安定化策と経済全般の補強策を発表した。中央銀行によるCRR引き下げもその一環。中央銀行は世界的な金融危機の波及に対処するため、先週以来8万クロー(US$164.95億)を金融体系に注入して来たが、今回のCRR引き下げを含む一連の措置により別に6万5000クロー(US$134.02億)の流動性が注入されることになる。蔵相及びRBIは必要なら一層の措置を講じるとしており、こうした措置には、銀行の資本基盤への新資金注入、公共部門銀行への2万5000クロー(US$51.55億)の緊急注入、企業の外資導入規制緩和、支払い準備率(CRR)の100ベイシス・ポイント追加引き下げが含まれる。
RBIは商業銀行/協同組合銀行/農業ローン返済免除計画下の地域農村銀行(RRB:Regional Rural Bank)に直ちに2万5000クローを注入する。
また社債に対する外国機関投資家(FII:Foreign Institutional Investor)の投資上限を30億米ドルから60億米ドルに引き上げる。
中央銀行は、銀行界にタームローンや運転資金の借入を希望する者に対する融資を拡大するよう勧告したが、政府も公共部門銀行に対して貸付上限を引き上げ、借入拡大申請に迅速に検討を加えるよう勧告する方針だ。
政府は、銀行に対し銀行同業間コール資金市場に引き続き積極的に参加するよう求めている。これにより市場の流動性が拡大する。
蔵相によると、政府は、銀行の『資本/リスク資産比率(CRAR:capital to risk weighted assets ratio)』を引き上げるため、銀行に金融アクセスを提供する方針を決めた。CRARは目下のところ10~12%だが、適当な時期に一律12%に引き上げる。
このことは銀行の資本ベースを拡大するため、株式の取得を通じ、政府が民間銀行を含む銀行界に資金を注入することを意味すると、銀行界は見ており、これによりCRARも改善する。
蔵相によると、インド銀行のCRARは8%のバーセル基準を上回り、RBIは9%に設定している。インド国内には自己資本比率(capital adequacy)が10%を下回る銀行は存在しないと言う。
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