SEAnews 2008-10-13 ArtNo.41529

【コルカタ】少なくとも鉄鋼会社3社?JSW Steel Ltd(JSW)／Jindal Stainless Ltd(JSL)／Bhushan Steel Ltd(BSL)?が、金融危機から拡張計画の実行を延期する方針を決めた。
ビジネス・スタンダードが10月10／13日報じたところによると、JSLのArvind Parekh取締役は、オリッサ州における第3次／第4次拡張計画の交渉を暫時中断したと語った。それによると、現在250MW(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)の発電能力と80万トンのステンレス鋼年産能力をそれぞれ2倍に拡大。投資額は2000～3000クロー(US$4.25億-6.38億)で、大部分借入で賄う予定だった。
JSWのSeshagiri Rao財務担当取締役によると、同社は西ベンガル州における年産1000万トンの鉄鋼プラント建設計画の第1期分として1万5000クロー(US$31.91億)を投じ年産600万トン製鋼設備を設ける予定だったが、ペレット製造施設／選鉱施設／炭坑プロジェクト等の原料施設の建設を最初に手がけることに方針を転換した。これに伴い第1期計画の必要投資額も4000クロー(US$8.51億)に縮小する。
JSWは、これ以前にカルナタカ州Vijaynagarにおける既存プラントの年産能力を1100万トンに拡張し、タミールナド州Salemに100万トンのプラントを建設、また西ベンガル州における1000万トン鉄鋼プラントの第1期計画を実行、何れも2011－12年までに完成させると発表していた。この内Vijayanagarプロジェクトの金融アレンジは既に完了しており、予定通り実行するが、残りの2件のプロジェクトに関しては、金融市場の動向を見て実行時期を調整する計画だ。とは言え、西ベンガル州における原料施設の建設に関しては既に4000クローの金融アレンジが完了していると言う。
BSLのNeeraj Singal重役(MD)によると、同社はSingurにおけるTata Motors Ltd(TML)の小型乗用車プロジェクト用地買収を巡る紛糾や昨今の金融市場の波乱から西ベンガル州Asansol近郊のSalanpur工業区に8000クロー(US$17.02億)を投じ年産200万トンの鉄鋼プラントと1000MWの発電施設を設けるプロジェクトを6～9ヶ月繰り延べる方針を決めた。プロジェクトは当初の予定では2009年4月に着工されるはずだった。しかし用地取得や鉱山の割当等が手間取り、スケジュールに遅れが生じていたと言う。
これにより鉄鋼省が掲げる2011－12年までに国内の鉄鋼年産能力を1億トン以上に引き上げると言う目標の実現も危うくなって来た。