【ニューデリー】中央銀行Reserve Bank of India(RBI)は10月6日、金融システム中の流動性逼迫を緩和するため、支払準備率(CRR:cash reserve ratio)を50ベイシス・ポイント引き下げると発表、10日にはさらに100ベイシスポイントの追加引き下げを発表した。これによりCRRは現在の9%から7.5%に下方修正される。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルドが10月7/9/10日報じたところによると、同措置は10月11日に発効し、金融システムに合計6万クロー(US$127.66億)の流動性が追加される。インド中央銀行のCRR引き下げは2003年6月以来のことで、実に5年ぶり。
CRRは市中銀行が中央銀行に無利子で預金することを義務づけられる比率で、同比率の引き下げは、銀行界の貸出能力の拡大を意味する。6日の時点で観測筋は今回の措置により銀行同業間市場の流動性逼迫は緩和するものの、一般向けの貸付金利や預金金利は当面据え置かれるものと予想した。
中央銀行は6日のステートメントの中で、「CRR引き下げは臨機の暫定措置で、市場動向に照らして随時見直しを加える」とするとともに、「世界的な金融不安が高まる中で全世界の中央銀行は、流動性管理を強化する協調行動をとっている」と付言している。