2008-10-03 ArtNo.41500
◆保健省/ITC等、日本たばこの出資率引き上げに反対
【ニューデリー】日本たばこ株式会社(JTI)が合弁会社への出資率引き上げを申請したのに対してインド最大のタバコ会社ITC Ltdや保健省が反対を表明、論争が生じている。
ビジネス・スタンダードが10月2日伝えたところによると、JTIは今年6月、外国投資促進局(FTPB:Foreign Investment Promotion Board)にJT International India Ltd(JTIIL)持ち分を50%から74%に引き上げる申請を行った。JTIILはCamelとWinstonブランドのタバコを製造している。
外国直接投資(FDI)政策の下、タバコ産業の外資上限は100%で、工業ライセンス規則にも抵触せず、製造能力の拡張も計画されていないことから、商工省は、同申請を認める姿勢だ。
これに対してITCは陳情書の中で「JTIILに与えられたタバコ製造ライセンス条項には50:50の出資率が含まれており、JTIの持ち分引き上げは、同条項に反する」、「JTIILの稼働率はライセンスにより認められたキャパシティーの4%にとどまっている」、「また製造能力の拡張は、健康被害を生じさせる」等の理由を掲げ、申請を認可せぬよう求めている。
地元煙草会社の組織インド・タバコ協会(TII:Tobacco Institute of India)も大蔵省に対し、JTIの出資率に反対する陳情書を提出、保健省に対しても健康上の観点からJTIの出資率引き上げに反対するとの意見書を提出した。
一方、アンドラプラデシュ州Guntur県のタバコ栽培業者福利協会(TGWA:Tobacco Growers Welfare Association)は、「JTIは過去9年にわたってインドで営業しているが、地元タバコ栽培農家と如何なる栽培契約も結んでおらず、タバコ栽培振興プログラムも実行していない」とする陳情書をManmohan Singh首相に提出した。
保健省は、タバコ供給を制限する同省の政策の下、タバコ産業への投資は、FDIも含め、これを支持しないとしており、Anbumani Ramadoss保健相は、Kamal Nath商工相に宛てた書簡の中で、タバコを、自由貿易協定/輸入ライセンス政策/FDI政策/特別経済区(SEZ)政策等、様々な政策のネガティブ・リストに含めるよう求めた。
こうした中で保健省から介入を求められた総理府は、商工省商工部(DCI)にTGWAの意見に検討を加えるよう指示するとともに、商工省経済問題部(DEA:Department of Economic Affairs)にTII/保健省/大蔵省歳入部の意見に関する報告を求めた。
JTIスポークスパースンは、同社の出資率引き上げ申請は、2006年Press Note 4や2008年Press Note 7に示された外国直接投資政策に基づいているとしている。
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