2008-09-24 ArtNo.41468
◆米国食品薬品局、Ranbaxy製品30品目以上の輸入禁止
【ニューデリー】米国食品薬品局(FDA)は、Ranbaxy Laboratories Ltd (RLL)の2工場で生産された30品目以上の後発医薬品の輸入を禁止するとともに、暫時RLLの新規申請も許可しない方針を決めた。
エコノミック・タイムズ、インディアン・エクスプレス、ビジネス・スタンダードが9月17/18日報じたところによると、FDAは、今回の措置に関して、「RLLのヒマチャルプラデシュ州Paonta Sahibとマドヤプラデシュ州Dewasの2工場における違法な処理と、記録改竄に伴うもの」と述べている。
その一方で、「現在販売されているRLLの製品には問題はなく、また問題の2工場の製品も製造手続きが違法なだけで、安全上の問題はないため、何らパニックを起こす必要はない」としている。同手続き上の違法問題が決着するまで、RLLから提出された申請の認可も保留すると言う。ちなみに当該2工場に関する問題は既に2006年指摘されていた。
RLLの2007年の米国売上げは3億4000万米ドルで、今年上半期のそれは2億3000万米ドルだった。インド最大の地場製薬会社RLLは、第一三共株式会社により買収され、両社を合わせた企業規模は世界第15位にランクされる。
アナリストらによると、今回のFDAの輸入禁止措置に伴うRLLの損失やダメージを測定するのは、輸入禁止の期限も定められていないため、極めて難しい。RLLは11カ国で製造活動を手がけており、そのうちインドの2工場のみが輸入禁止の対象にされている。とは言えこれら2工場はRLLの生産全体の大きな部分を占めている。
Angel Brokingのアナリスト、Sarabjit Kaur Nangra氏によると、輸入が禁止された30品目の生産を別の工場に移すことも可能で、その意味で影響は限定的と言える。(エコノミック・タイムズの20日の報道ではRLLは年商15億米ドルの抗ウィルス剤Valacyclovirの製造を別工場に移すことを検討している。)また2工場では後発医薬品の製造のみが手がけられ、RLL自身の特許製品は製造されていない。とは言え、FDAが今後他の製造施設にまで禁輸の対象を拡大する可能性も否定できない。当初、FDAはPaonta Sahib工場のみを問題視し、Dewas工場は含まれていなかった。もしFDAがさらに多くの工場も輸入禁止の対象に含めるなら、RLLが受ける打撃は極めて深刻と言う。
メリーランド州法廷における訴訟の過程で、RLLは、同社に対する訴えは、最近の第一三共とRLLの合併を脅威とする多国籍製薬会社の策略と評している。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥー、エコノミック・タイムズが18/19日伝えたところでは、RLLはRudy Giuliani元ニューヨーク市長とGiuliani Partnersを顧問に指名し、FDAの輸入禁止措置に対抗する構えだ。
他方、ビジネス・スタンダードが21日伝えたところでは、エネルギー及び貿易担当米国議会委員会(United States Congressional committee)の4人の委員は、FDAにより認められ、途上国に供給されているRLL製エイズ薬の品質を検証するよう求める要望書をコンドリーザ・ライス国務長官に提出したと言う。
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