2008-09-17 ArtNo.41443
◆政府、経営管理権を新外国直接投資政策の主軸に
【ニューデリー】今年、昨年実績を160億米ドル上回る400億米ドルの外国直接投資の誘致を目指すインド政府は、成熟した経済体に倣った総合的な新外国直接投資制度の立案に取り組んでいる。
インディアン・エクスプレスが9月12日報じたところによると、新制度の下では、既存制度の業種ごとに恣意的に設けられた外資上限やある種の業種にのみ適応される追加条件は廃止され、経営管理権(management control)の帰属に照準を合わせ、それぞれの投資家グループ、即ち地元投資家グループや外国投資家グループの経営権を保証する透明な原則の確立が目指される。
とは言え専門家らは、これはなかなか難しい問題と指摘する。このため、商工省、大蔵省、法人事務省(ministry of corporate affairs)を含む関係省庁は、簡明かつ全ての投資家を束ねるに足る峻厳さも備えた投資制度の立案に取り組んでいる。立案作業に携わるオフィシャルは、『Know Your Clients』をモットーに、インドを一層魅力的な投資地にする新制度の完成に自信を表明した。
既存の外国直接投資政策は、国防産業、テレコム産業、そしてインフラ関連の投資会社に関する経営管理権(management control)に言及しているが、これを全ての業種に敷衍し、経営管理権を再定義する。
法律事務所Corporate LexportのSrinivas Kotni副代表(managing associate)によると、『management control』を定義した法律条文は、その実存在しない。強いて言えばインド証券取引局(SEBI)の『1997年株式大量買収及び企業買収規則(SASTR:Substantial Acquisition of Shares and Takeovers Regulations, 1997)』に『control』の定義がなされている。しかし『management control』に関しては、SEBI規則にも会社法(Companies Act, 1956)にも、何も定義されていない。SEBI規則は、『control』を『取締役会の過半数のメンバーを指名する権利』、『経営もしくは政策決定権』と定義している。
国際的には、『management control』は税制の観点から定義されている。そこでは企業の居住者ステータス(residential status)が問われ、徴税の便宜上、経済的基準もしくは、その国に実在するか否かに基づいて、定義がなされている。
国際会計会社Ernst & YoungのAjit Krishnan氏によると、インドでは所得税制に関係して『management』及び『control』に関する判例が存在する。これらの判例からすれば、『management control』は取締役会に帰属するのであって、経営最高主任(CEO)や財務主任(CFO)に帰属するのではないと言う。
|
|