SEAnews 2008-08-25 ArtNo.41349

【ニューデリー】インド電気通信監督局(TRAI:Telecom Regulatory Authority of India)は18日、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に、新たな市場参入料やライセンス料を徴収することなくインターネット電話サービス(Net telephony service)の提供を認めるよう提案した。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインとザ・ヒンドゥーが8月19日伝えたところによると、同提案が受け入れられるなら、消費者はインターネットにアクセス可能な如何なる手段を通じてでもネット電話を利用できるようになる。こうした手段には、パーソナル・コンピューター(PC)、ヘッドフォーン付きラップトップPC、スマート・フォーン、汎用パケット無線システム(GPRS:General Packet Radio System)や3G接続が可能なウェブ対応携帯電話が含まれる。消費者は、ISPからネット電話パッケージを購入し、ダイアラー・ソフトウェアをこれらの装置にインストールする必要がある。これにより消費者は、全国どこでも、ネット電話契約者に通話することができる。PCやウェブ対応携帯電話を保持しなくても、800ルピー(US$19)ほどのIP(Internet Protocol)対応装置を手に入れることにより、ネット電話が可能で、また通常の固定式電話だけでも、プリペイド・ネット電話カードをセットすれば、ネット電話を利用できる。
目下のところ、ISPは、音声国際長距離ネット電話サービスとＰＣ対ＰＣの国内ネット電話サービスを提供することを認められている。
またBharti Airtel／Bharat Sanchar Nigam Limited(BSNL)／Reliance Communication等の総合電話サービス会社は、国内において如何なる制限も受けずにネット電話サービスを提供できるが、今のところ、この種のサービスを提供しているものはない。これは通常の固定式／セル式電話サービス収入に対する影響を恐れたためと見られる。
TRAIの今回の提案が電気通信局(DOT:Department of Telecom)により認められれば、国内の300社以上のISPが、既存の通話料金を大幅に下回る価格で、国内長距離電話や市内電話サービスを提供できるようになる。またBPO(business process outsourcing)はネット電話の利用を通じ、営業コストを大幅に引き下げることができる。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが19日伝えたところでは、広帯域サービスを提供するマハラシュトラ州Mumbai拠点のカテゴリー・ワンISPのYOU Telecom Indiaは、TRAIの提案を受け、100クロー(US$2342万)を投じ、いわゆるトリプル・プレー・サービスを提供する方針を発表した。TRAIの上記提案がDOTにより受け入れられた後、先ず第1期分として50クロー(US$1171万)を投じ、6ヶ月後にネット電話サービスを開始する。1155キロの光ファイバー・ケーブルと4000キロの同軸ケーブル網を有する同社は現在12都市でサービスを提供しているが、12ヶ月以内に新たに9都市でもサービスを開始すると言う。