【ニューデリー】中央銀行Reserve Bank of India (RBI)は、二桁インフレを鎮静させるためレポ・レートを50ベイシス・ポイント直ちに引き上げるとともに、支払い準備率(CRR:cash reserve ratio)を8月30日より25ベイシス・ポイント上乗せすると発表した。
デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレスが7月30日伝えたところによると、短期貸出金利の指標とされる中央銀行が銀行界に貸し付ける際の金利、いわゆるレポレートの引き上げは2007年1月以来5度目で、7年来の最高をマークした。また銀行界が無利子で中央銀行に預ける支払い準備率の引き上げは2007年1月以来8度目で、市場から8500クロー(US$19.91億)余りが引き上げられる。この結果レポレートと支払準備率は共に9%になり、事業主、消費者、住宅購入者等に対する貸出金利も、これに伴い一層上昇する見通しだ。
中央銀行はこの日、『2008-09年金融政策年次報告第1四半期見直し(First Quarter Review of Annual Statement on Monetary Policy for the Year 2008-09)』レポートを発表した。それによると、世界的な食料と原油の値上がりから、国内のインフレもなお暫く高水準を維持する見通しで、中央銀行は、今年通年のインフレ率を当初予想の5~5.5%から7%に上方修正した。報告書は、インフレ率を現在の高水準から引き下げ、インフレ期待感を鎮静させることが、金融政策の最優先課題と述べている。
今年9月末に5年の任期が満了するY V Reddy中央銀行総裁は、2009年3月末までにインフレ率を7%まで引き下げることに自信を表明した。それによると、インフレ率は向こう数ヶ月現状レベルを維持、第3四半期後半から沈静化し、第4四半期に7%のレベルまで下降する。
インフレ抑制のためにより厳しい金融政策を実行すべきだとする説と、それほど神経質になる必要はなく、国内総生産(GDP)の成長の妨げになるような引き締めは避けるべきだとする説があるが、何れにしても微妙なバランスの維持が求められる。不況を誇大視するのは、好況を誇大視するのと同様に危険と言う。