SEAnews 2008-07-23 ArtNo.41243

【バンガロール】インド・バイオテクノロジー産業の2007－08年の年間売上げは前年の20億1000万米ドルから25億6000万米ドルに拡大した。しかしルピーの対米ドル相場上昇や国際市場における値下げ圧力の影響で、成長率はそれ以前5年にわたる30％以上から20％に鈍化した。
インディアン・エクスプレスとヒンドゥー・ビジネス・ラインが7月16／17日、生物科学企業協会(ABLE:Association with Biotech led Enterprises)の第6回年次調査報告『BioSpectrum-ABLE Biotech Industry Survey』を引用し報じたところによると、現在の成長基調が維持されるなら2015年の産業規模は130億～160億米ドルに達するものと見られる。
BioSpectrumのN. Suresh編集長によると、輸出売上げが総収入の3分の2を占めており、2007－08年の輸出売上げは5733.7クロー(US$13.43億)と総収入の56％を占めた。この年ルピーの対米ドル相場は10～12％上昇した。同年の投資額は2750クロー(US$6.44億)と前年比21％増加した。
ABLEのDr K.K. Narayanan会頭によると、成長鈍化の主因はインドで開発されたバイオテック製品の国際市場における販売が伸び悩み、世界的ヒット製品が存在しないこと。バイオ製薬産業は、成熟期を迎えており今後5年間はインド・バイオテクノロジー産業にとって興味深い期間と言える。バイオサービスは引き続き魅力を維持している。規制の厳しい市場へのバイオ後発医薬品(biogenerics)の輸出が企業収益に大きく貢献しそうだ。バイオ・ベースの新薬開発を手がける成長する企業グループも形成されつつある。
ABLEのShrikumar Suryanarayan総務理事によると、バイオ燃料等、他の領域でも今後バイオテクノロジーが大きく貢献するものと予想される。
バイオ農業は、2005－06年に離陸したが、遺伝子組み換え綿花種子(Bt cotton seeds)が主要市場で値下げ圧力を受けており、その輸出を手がける2ダース余りの企業が影響を被っている。しかし今後Bt cottonの栽培面積は急速に拡大するものと見られる。バイオ農業の2007－08年度売上げは1200クロー(US$2.81億)をマークした。
バイオサービスの複合年間成長率は63％と、最も速く、以下バイオ製薬61％、バイオ農業34％と続く。
国内バイオテック企業の売上げランキングを見ると、マハラシュトラ州Pune拠点のSerum Instituteが987Nロー(US$2.31億)で、3年連続トップの座を占めた。以下、2位Biocon912クロー(US$2.14億)、3位Panacea Biotech677クロー(US$1.59億)、4位Nuziveedu Seeds303クロー(US$7096万)と続く。上位3社の順位は前年と変わっておらず、業界売上げ全体の25％のシェアを占めている。トップ20社の合計売上げは12億5000万米ドルと、業界売上げ全体のほぼ50％を占めた。年商500クロー(US$1.17億)以上は3社のみ、200クロー以上(US$4684万)が7社を占めた。またトップ20社の85％が売上げ100クロー(US$2342万)以上だった。